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シャンパンタワー500万円の明細と価値を白日の下に晒す!!

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

シャンパンタワー500万円の明細と価値を白日の下に晒す!!

【画像出典元】「Ekaterina Shvaygert/adobestock.com]」

ワタシ(中村修治)は、生粋の下戸。そのうえ“推し活”という行為自体の良さが分からない。よって、ホストクラブで推しのホストのためにシャンパンタワーを注文する女子の気持ちなんてサラッさら分からない。
しかし、「シャンパンタワー出張設置業」というビジネスを発見してしまったからには捨ておけない。めっちゃ縁遠いものを冷静に分析してみる。

シャンパンタワーは、お安くても15万円から!!

ホストクラブでのシャンパンタワーの相場は下記の通り。シャンパン1本の値段5万円、グラス1つ135mlでの試算である。

「三角タワー」の場合
底面を三角形にしてグラスを積み上げる定番スタイル。5段でシャンパン約3~8本・15万~25万円程度、10段だとシャンパン約40本・175万~200万円程度。

「四角タワー」の場合
底面が正方形で、ピラミッド型にグラスを積み上げるカタチ。三角タワーよりもたくさんグラスを使い、シャンパンを注いだ時の煌めきが映える。
5段でシャンパン約6~8本・30万~40万円程度、10段ではシャンパン約70本・325万~350万円程度、12段以上だと500万円以上ということだから、新車も買えるぞ。

「丸形タワー」の場合
底面を丸くしてグラスを積み上げるタイプ。見た目が華やかな割に使用するグラスが少なく、予算を抑えてシャンパンタワーを行える形状。
5段でシャンパン約3~4本・15万~20万円、10段でシャンパン約15~22本・75万~110万円程度と見栄えの割には割安。

シャンパンタワーのお値段は、必要なシャパングラスの数とそのグラスを満たすシャンパンの本数に比例する。要は、グラスの使用個数が多いタワーを注文してくれる女の子がご贔屓さん。では、さて!?そのシャンパングラスを積み上げる地道な設置行為は、誰がしているのか!?凄い技術も必要そうだ。きっと、ホストのみなさんがするわけない!?

シャンパンタワー出張設置ビジネスとは!?

でだ!?当然のようにシャンパンタワー出張設置ビジネスなるものが登場するのである。シャンパンタワー5段出張設置なら3万円(税込3万3000円)。文句なしのゴールデンタワーのシャンパンタワー10段出張設置なら7万円(税込7万7000円)。豪華円型シャンパンタワー13段出張設置なら12万円(税込13万2000円)。ホストクラブで100万円以上は平気でしちゃうシャンパンタワー。10%にも満たない設置料の原価など大したことはない。

参照:シャンパンタワー専門店Real(リアル)

このように、女の子たちのホストの推し活市場は、こんなビジネスも生み出しているちゅうわけである。

“推し”への忠誠という誇示消費!?!

今日も~お前は~いい波乗ってんね!
隣の~あなたも~いい波乗ってんね!
これは、シャンパンタワーの注文が入った時の掛け声の定番である。お店全体で盛り上がる。お店の中での推しのホストの株が上がる。私が一番の上客であることを誇示もできる。絶対に引いていっちゃう波なのだけれどね。

アイドルや二次元など“推し”の対象は、はるか遠くの存在であったが、SNSの普及により直接繋がれるタイプの推し活が増えた。顔が好き、面白い、そんな人たちに対して金銭を送り、果てには、自身の体を捧げる女の子たちがいるのがリアルな社会である。
この現象を「おバカだなぁ」と一蹴していては、ただのオッサンである。推しのために、何かを投げ売ったり身を犠牲にしてまで推すことが「エモい」とされ、その界隈では「偉い」とまでされる文化が確かに生まれているのだ。

凸凹な自己愛がそびえ立たせるシャンパンタワー!!

自分の身を売ってまでシャンパンタワーにお金を注ぐ行為こそ「エモい」と言うなら、それもまた、結局は自己愛である。しかし、その女の子たちの多くが「自分大好き!」ってうまく表現できない自己肯定感の低い娘たちであろうと想像ができる。「自分大好き」と言えない女の子たちが自己愛を求めてそびえ立てているのがシャンパンタワーだということである。

財布の~中身も~いい波乗ってんね!
みんな~今日も~いい波乗ってんね!
良い波も、悪い波も、海上を吹く風によって水面にできる凸凹が原因で発生する。人間の欲望そのものが凸凹である限り、人生の波は発生する。そういう意味においては、コンプレックスと見栄だけでポンと高い腕時計を購入する兄ちゃんの波よりも、たった数時間の満足のために500万円のシャンパンタワーを注文する女の子の波の方が人間らしく興味深い。還暦を過ぎてなお、煩悩に翻弄され続けているワタシには、破天荒な推し活をする女の子の波の方がキラキラして見える。