「学歴で広がる差」20代前半・後半男女の平均年収、中央値を大卒・高卒で比較
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<2019.05.16更新>こんにちは、ファイナンシャルプランナー(FP)の中村賢司です。
同世代の年収って気になりますよね。同期入社同士でも、入社して間もない2~3年目まではさほど年収に差はありませんが、20代後半になってくると少しずつ差が出てくるものです。
仕事で良い結果を残すことで上司や会社に認められ、責任のある仕事を次々に任されるようになります。その結果が30代、40代の年収アップに繋がっていくのではないでしょうか。
今回はそんな20代の年収にスポットを当てて、20代前半と後半の年収の違いや平均値、中央値、男性と女性での比較、学歴での比較、職種別での違いや地域性、年収1000万も夢ではない年収の高い職種などを紹介していきます。
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20代の平均年収はいくら?大卒や大学院卒、高卒での学歴や男性・女性の差は?
一般的に20代の年収がどれくらいなのか、厚生労働省のデータを引用してみていきます。
20代の平均年収
大学卒に比べ高校卒は、それぞれ15%ほど低い結果でした。また、20代前半から後半へかけての年収の上昇率にも注目です。大学・大学院卒が15%ほどアップしているのに対し、高校卒は12%ほどのアップと3%も差が出ています。
では、次に男女別の平均年収を比較してみていきます。
大学・大学院卒の平均年収
高校卒の平均年収
ここでは男女の上昇率に注目してください。20代前半から後半へかけて男性の上昇率が13~16%に対し、女性は6~11%にとどまっています。
※出典:賃金構造基本統計調査の月収データを12倍して算出(平成29年、厚生労働省)
20代前半・後半の年収 中央値ではどう変わる?男性・女性を比較
前項でみてきた年収は平均値でしたが、ちょうど真ん中に来るもっとも多い中央値ではどうでしょうか。
中央値とは、データを低い方から並べてちょうど真ん中に来る数値のことです。たとえば5人の年収を比べる場合、下から3番目(真ん中)の人の年収が5人の中央値となります。平均値はは5人の年収を足して5で割る値で、5人の中に極端に年収の高い人がいる場合は他の4人の実際の年収と大きく違ってしまう場合があります。そのため中央値で比べるほうがより現実に近いデータと考えられています。
大学・大学院卒の年収中央値
高校卒の年収中央値
中央値でみる年収は、男女とも平均年収よりも低くなっています。高校卒では5万円程度の差ですが、大学卒では10~20万円ほど低い結果が出ています。これは一部の年収が高い職種が平均値を上げているといえますので、参考にするのであればこちらの中央値を参考にしてください。
また、20代前半と後半での年収伸び率をみると、この中央値でも平均値同様、男性は10%ほど上昇しているのに対し、女性は5~8%と10%も伸びていません。また、高校卒の20代後半の中央値と大学・大学院卒の20代前半の中央値が、ほぼ同額であることもわかります。
※出典:賃金構造基本統計調査の月収データを12倍して算出(平成29年、厚生労働省)
今までは厚生労働省のデータをみてきましたが、平成30年9月に公表された国税庁の「民間給与実態統計調査(平成29年分)」でも同じような結果が出ています。
20代前半の平均年収
20代前半では、男性と女性の差はさほどありませんが、20代後半になるとその差が少し広がってきているのがここでもわかります。
20代後半の平均年収
男女の差ばかりではなく、20代前半と後半を比べると年収は大幅にアップしています。額にして100万円、この差は大きいですね。
このデータをみて分かるように、20代のうちにバリバリ仕事をして会社に認められれば、年収はアップして生活にもゆとりができることは間違いありません。
この年収の上昇率は30代、40代になるにつれ伸びが鈍化しますので、いかに20代が大切かということがわかります。
20代の職種別、産業種別年収はいくら?
20代の平均年収は職種や産業種別によっても変わってきます。ここではさまざまな産業種別の平均年収をみていきます。
同じ会社でも職種によって年収が変わる事もありますが、産業種別にみても上位と下位ではなんと60万円も年収の差が出ています。20代でもこれくらいの差が出ていますので、30代、40代となるとさらに差が拡がっていきます。
年収の高い「職種」「業種」ランキング 上位は?
20代で平均年収が高い職種のランキング上位は、DODAによると次のようになっています。
【平均年収が高い「職種」ランキング】
第1位:投資銀行業務(金融系専門職) 627万円
第2位:ファンドマネジャー、ディーラー、アナリスト業務(金融系専門職) 566万円
第3位:戦略・経営コンサルタント業務(専門職) 559万円
第4位:会計専門職・会計士(専門職) 547万円
第5位:製薬・医療機関支援系営業(営業系) 518万円