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20代一人暮らし、手取り少なくても貯金できるコツは?節約術をFPが解説

ためる 権藤 知弘

20代一人暮らし、手取り少なくても貯金できるコツは?節約術をFPが解説

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春から新社会人となり、一人暮らしを始める方も多いでしょう。これからの生活はもらったお給料の中からやりくりすることになりますが、20代だとまだ収入も少ない中、生活費や趣味に使うお金などでほとんどが無くなり、貯金ができないと悩む方も多いでしょう。今回は同世代が平均どのくらい貯金しているのかや、手取り収入が少なくても貯金ができる方法についてお伝えしていきます。
 

一人暮らしの平均貯蓄額は?

まずは20代の一人暮らしの平均貯金額から見ていきましょう。かなり衝撃的です。金融広報中央委員会(通称:知るぽると)の平成30年度の調査によると、

●一人暮らしをしている20代の65%は年収500万円未満
●年収300万円未満の49%は貯金がない
●年収300万円以上500万円未満の人でも約30%は貯金がない

20代では2人に1人は貯金がないというのは驚きです。
30代まで幅を広げてみるとどうでしょうか?実は30代でも傾向はあまり変化がありません。

●年収300万円未満の48%は貯金がない
●300万円以上500万円未満の25%は貯金がない

20代・30代ともにご自身の貯金額と比べてみて多い・少ない等、いろいろな感想があると思いますが想像以上に厳しいという印象を受けます。

一人暮らしで手取り少なくても貯金できる節約術 生活編

ご覧いただいたように、貯金をするのはなかなか難しいようです。特に年齢が若いと収入も多くないことが一般的なので、なおさらその傾向が強まります。無計画だとなかなか貯金は厳しく、生活費をコントロールする必要があります。やはり貯金体質になるには生活費のやりくりが上手になる必要がありますね。ここで生活にかかるお金について、何を節約できるかを考えてみましょう。

家賃

会社などで補助があると理想的ですが、そうでなければ毎月の支払いの中で、固定費として一番大きな割合を占めることになります。理想は手取りの2割ぐらいですが、都市部など、住む地域によってはなかなか難しいでしょう。それでも3割を超えるとやりくりが大変になると思います。現在3割を超えている人は、すぐに家賃を下げることは難しいですが、更新の時期に大家さんにダメもとで交渉してみましょう。

食費

毎日のことですから、ここが抑えられるとだいぶ楽になりそうです。理想をいえば家賃と食費で手取り収入の4割~5割以内になるとよいでしょう。

通信費

スマートフォンでありとあらゆることができる今の時代、通信費が支出に占める割合が大きい人も多いと思います。今は大手キャリアだけではなく、準キャリアを含め多くの格安プランがあります。これに変えると目に見えて通信費が安くなります。通話をあまりしない人は、特に見直す余地が大きいですね。

保険料

独身なら高額な死亡保障は必要ありません。日本の公的医療制度は充実しているので最低限の医療保険や共済の活用で十分だと思います。共済であれば死亡保障と医療保障で毎月2000円程度からあるので、検討してみてください。

水道光熱費

これは使い方によります。こまめにスイッチを切る等で対応するのも節約の一つですが、現在は電気やガスは自由化が始まっているので、会社そのものを見直すのも一つの手です。電気に関しては全国対応している事業者も多く、切り替えも手間がかからないためおすすめです。

その他・衣料や娯楽などの支出がありますが、毎月の予算を決めておくことが大事です。コントロールなしで買い物すると後が大変です。

一人暮らしで手取り少なくても貯金できる節約術 お金管理編

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さて、やりくりも大事ですが、実はその前にお金の管理が一番大事です。貯金ができる人は「残ったお金が貯金」ではなく「先に貯金をして、残りでやりくり」という人です。

会社の財形貯蓄制度を活用する

金額は少なくてもいいので、まずは「先取り貯金」という仕組みを作りましょう。社会人で勤め先に財形貯蓄制度があればぜひ活用しましょう。財形貯蓄は給料から設定した金額が天引きされ積み立てられる仕組みです。

以前は金利的にもメリットはありましたが、現在は金利で増えるということは期待できません。ただ強制力があるため無理やりでも貯金ができますし、引き出すのも手間がかかるため気軽に使えないというメリットがあります。自分では貯金がなかなかできないという人にはうってつけです。

給与とは別の口座に自動送金する

残念ながら財形貯蓄制度がないという人も多いと思います。そんな人には、給与口座から別の口座へ自動送金の設定を行い、一定金額を給与から自動的に抜いて貯金する方法があります。この場合は、通帳やキャッシュカードがあるとすぐに引き出したくなってしまうので、最初から通帳を発行しないインターネット専用口座がおすすめです。

固定費の支払いにクレジットカードを使う

仕組みでいうと毎月必要な固定費の支払いにクレジットカードを使うことも効果的です。家賃・携帯・保険・水道光熱費など毎月ほぼ一定の金額が発生するものに関しては、クレジットカードでポイントを貯めていくと、思った以上のポイントが貯まることが多くて効果的です。貯まったポイントは趣味に使ってもよいですし、最近ではポイントを利用して投資を行うこともできるようなクレジットカードも出てきて利用の選択肢も増えています。

いずれにしても「先取り貯金」をする仕組みを早めに作るようにしましょう。仕組みができたら、後はそれを頑張って継続していきましょう。

では、毎月どのくらいの金額を貯金すればいいでしょうか。次は貯金の目安についてお話します。

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