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家計簿が苦手な人でも簡単に続けられる項目の立て方をFPが伝授!

ためる 白浜 仁子

家計簿が苦手な人でも簡単に続けられる項目の立て方をFPが伝授!

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家計管理のために家計簿をつけたいのに、苦手で続かない人も少なくないようです。今回は、苦手な人がつまずきやすいポイントを確認しながら、家計簿の項目の立て方を見直すなどで簡単に家計簿を続けられるコツを紹介します。

家計簿をつけることでこんなメリットがある

家計簿というものは、根を詰めてつけるモノではないと思います。
もちろん、つけるのが得意な人はしかりですが、どうやら世の中には私を含め得意でない人の方が多いようです。

とはいえ、一度も家計簿をつけたことがないという人や、貯金が思い通りできない人、転職やマイホーム購入など人生の節目を迎える人は、一度、日々の収支を把握しておくことをおススメします。何とかなるだろうと目を背けていると、必要な時に貯蓄がなく、先々後悔することもあります。

日々の生活が少しずつ積み上がり自分の人生が彩られていくように、資産形成も毎日の積み重ねです。お金が全てではありませんが、お金がないことで困ったり、選択肢が大きく阻まれたりすることもあるのは事実です。家計簿をつけることで素敵なマネープランが歩めるのならとても素晴らしいことですね。

支出の把握

家計簿をつけていない、もしくは特に管理をせず必要なときにATMから引き出している、または○○Payにチャージするという人は、知らないうちに多くの消費をしている傾向にあります。「贅沢をしている訳でもないのにお金が足りない」「貯金が殆どできない」という人は要注意です。

家計簿の良いところは、自身が何にお金を使っているか消費の傾向を知る機会になるということです。自身の生活スタイルを客観視しながら見つめ直すことができます。支出の種類ごとに項目を分けて月の支出を眺めると気付きを得られるでしょう。

お金の無駄をあぶりだす

その気付きが、未来に繋がるヒントとなります。前述の「贅沢をしている訳でもないのにお金が足りない」「貯金が殆どできない」という謎の事件⁉を解決する糸口になります。自身のお金の使い方を知ることで無駄をあぶりだすことができるのです。

たとえば、思ったより外食が多い、コンビニでお菓子やジュースなど嗜好品のちょこちょこ買いで○万円も使っていた、など想像以上の支出があることに気づくことがあるかもしれません。気付きがなければ行動を変えることもできないため、やはり家計簿をつけることは大きな意味を持つと言えるでしょう。

家計簿が続かない人の特徴、つまずきポイント

両手を上げる男性
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とはいえ、日々の支出を記録するのは根気がいることです。
家計簿のつまずきポイントは色々あると思いますが、筆者がよく耳にするのは、次のような内容です。

家計簿を続けるコツは「いい加減」

家計簿をつける
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これらのつまずきポイントを回避するにはどうしたら良いでしょうか。
私は、「いい加減」に家計管理をするという一言に尽きると思います。
いい加減というのは、「大雑把に、程良い加減で」という意味です。前述のつまずきポイントを基にいい加減について考えてみましょう。

項目ごとに分けるのが大変で挫折してしまう

よし!家計簿をつけよう!と思った場合にやってはいけないことは、頑張り過ぎないことです。

当然ですが、よし!というときが、モチベーションが最高潮ですので、気合いが入るばかりに項目を細かく丁寧に分けがちです。実は、項目が多いほど徐々に分類が難しくなる傾向にあります。項目は物足りないくらい大まかな方が“いい加減“のようです。

レシートが溜まり面倒になる

忙しい日があるとつい後回しになってしまいますが、それが続くとお財布がレシートでパンパンになってしまいやる気がなくなります。それを回避するために、レシートの中身を細かく見ないというのも家計簿を攻略する方法のひとつです。

前述のように項目をシンプルにすることの延長線上にはなりますが、レシートを見て、食品やトイレットペーパー、洗剤などと分けていくと大変ですので、項目を「食費・日用品」という一括りにしてしまうというのも良いでしょう。スーパーで買うものはたいてい「食費・日用品」のどちらかですから。それなら、家計簿にはレシートの合計額のみを記入すれば、あっという間に終わります。

また、これらの買い物は、毎日つけずに、週に1回レシートの金額を合算して記入するという方法でも良いと思います。今週はけっこう使ってる、とか、今週は、冷蔵庫の中身と相談しながら工夫して買ったから抑えられている、ということもあるでしょう。週単位で気付きがあれば、さらに「今週もがんばるぞ!」とやる気がわいてくるものです。

カード払いの計上タイミングが分からず混乱する

これも家計簿あるあるです。カード払いは、購入時と実際の支払時のどちらを計上するタイミングにすべきか疑問がわいてきます。

簿記の考え方で言えば、購入時のカードを切ったその日に計上しなければなりませんが、家計簿の場合はどちらのタイミングでも良いと思います。計上時期に1~2か月の違いが出ますが、細かいことは気にしません。

ただ、月によって購入時にあげたり、支払時にあげたりしてしまうと、計上モレや2重計上になってしまうため、どちらかに統一しましょう。購入時に記載する場合はレシートをもとに、支払時ならカード会社から届く毎月の利用明細の一覧で管理します。

つい目先の処理に頭を悩ませてしまいますが、家計簿の本来の意味は、支出を厳密に付けていくことではなく、「貯蓄が計画的にできているか」ということです。迷路に入りそうな時は、資産形成がゴールであることを思い出すと良いかもしれません。

配偶者の支出管理をどうして良いか分からない

夫婦での家計管理では、どちらか得意な方が主導して付けていくと良いでしょう。ただ、その時に家計簿を付けない方の支出管理をどうしたらいいのか迷ってしまうこともあるようです。

もし、配偶者が主に食品の買い出しをしているという場合なら、リビングにボックスを用意して、レシートを入れてもらうなど家計管理のための負担が少ない方法を準備すると良いでしょう。また、会社での昼食代や趣味・嗜好品は、小遣い項目で一括りにすると管理の必要はなくなります。

使途不明金があり、収支が合わない

私は以前銀行に勤めていました。銀行の勘定は毎日1円までぴったり合わなければ仕事を終えることはできません。ただ、家計簿はそれとは違います。1円単位で収支を合わせていくことにあまり意味はありません。

レシートを無くしてしまったものや、自動販売機で買ったドリンクのようにそもそもレシートがないものもあります。収支なんて合わないのが当たり前くらいの感覚で問題ありません。毎月、数万単位で不明金が出るのは問題ですが、数千円という単位なら差額は雑費として計上しておきましょう。

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