北欧インテリアとも合うなんて!お洒落和室のリノベ3事例
目次
監修・ライター
ライフスタイルの変化にともない、すっかり少なくなった和風住宅。でも、「畳の部屋もほしい」というニーズは根強くあるようです。
今回のテーマは”和室”。リノベエステイト代表・一級建築士の松山真介さんに、いまどきの住まいにも合うだけでなく、存在が生活の質をさらに高めてくれるオシャレな和室のリノベーション例を紹介していただきました。
【事例1】リビングにとけ込む掘りごたつ付きのモダンな和室
まずは60代ご夫婦のケースから。古い一軒家をリノベーションしました。
《リノベーション前後の間取り図》
写真のように、リノベーション前は純然たる和風住宅でした。
リノベーション後です。モダンな住まいにガラリと変わりましたね。リビングルームの一角に和室をつくっています。
今後、畳に座るのがつらくなることも考えて、和室を小上がりにして掘りごたつを設けました。掘りごたつの開口部は、畳を上からかぶせてフラットにすることもできます。
小上がりの下には間接照明を入れ、さらに床の間と掛け軸の代わりに、壁面にローボードと間接照明を組み込みました。リビングに違和感なくとけこみ、モダンな仕上がりになりました。
そして、この畳。ダークな色合いがインテリアにマッチしていますよね。松山さんによると、こちらは和紙を加工した畳なんだそうです。和紙といっても耐久性があり、汚れにも強いとのこと。
最近では畳表の素材も、昔からあるい草だけでなく、和紙素材のものやポリプロピレンを使ったものなど、種類が増えてきています。これらの畳には変色しにくい、ダニやカビが発生しにくいなどのメリットがあるそう。また、カラーバリエーションが豊富なので、インテリアに合った色を選べます。一方、い草の畳は、すがすがしい香りや肌触りの良さが魅力。それぞれの良さを考えたうえで選びたいですね。
【事例2】北欧風のインテリアにも合う小さな和室は使い方もいろいろ
続いて、ご夫婦+子ども2人のお宅です。3LDKのマンションを2LDKにリノベーションしました。
《リノベーション前後の間取り図》
こちらがリノベーション後です。LDKに隣接して3畳ほどの小上がりを設けました。普段は、ここに小さなテーブルを置いて、第二のダイニングルームとして使っているそうです。食べた後にゴロリと横になることもできますね。
LDKとの間に仕切りはありませんが、カーテンをつるせるようになっていて、カーテンで仕切ればゲストルームとしても活用できます。
施主はインテリア関係の仕事をしていて、北欧家具がお好きとのこと。でも、食事のときは畳に座って食べたいというご家族の希望がありました。そこで、壁と天井を板張りにして、北欧家具とも合う和の空間を創出!天井は高さを抑えて、傾斜をつけています。
「イスに座るときと畳に座るときでは目線の高さが違うんです。そこで天井をあえて低くして、空間に落ち着きを与えています」(松山さん)
【事例3】マンション1階の立地を生かした和室。土間からベランダ・庭へとつながる
最後は、夫婦+子ども1人のお宅です。
《リノベーション前後の間取り図》
3LDKのマンションをリノベーションして2LDKに。和室の位置はほぼ変わっていませんが、ベランダ側にあった壁を取り払い、よりリビングと一体化した空間に。さらに1.5畳ほどの土間を設けました。内でもなく外でもない、縁側のような空間です。
このお宅はマンションの1階。専用庭がついていて、ベランダから庭へ出ることができます。和室→土間→ベランダ→庭と、動線が広がることで暮らしが楽しくなるよう計画しました。
ベランダに干していた洗濯物をちょっと置いておいたり、夜は布団を敷いて寝室にしたり、引き戸で仕切ることができるので、いろんな使い方ができます。
「基本的には広々としたワンルームで暮らしたいけれど、プライベートのスペースもほしいという施主さんからの希望がありました。そこで、引き戸で臨機応変に仕切れるプランにしました」(松山さん)
こちらの和室は子どもの遊び場にもなっているそうです。庭にもすぐ出られて楽しそう!ちょっと寝かしておいたり、おむつを替えたり、子どもが小さいときは、やっぱり畳の部屋があると便利ですよね。
「畳のスペースがあると、いろんな使い方ができます。それにフローリングと違って張り替えが簡単なので、模様替えがやりやすいのがメリット」と松山さん。
畳の素材や織り方によって価格は変わりますが、畳表を替えるだけなら1畳当たり約5000円~、新しい畳を入れるなら1畳当たり約1万円~可能です。意外とお手ごろですね。
「最近は、置き畳という商品も販売されています。カーペットの代わりに置き畳をフローリングの上にレイアウトすれば、簡単にお部屋のイメージチェンジが可能ですよ」(松山さん)
小さな子どもから年配の方まで、いろんな世代にとって居心地のいい畳の部屋。畳があるだけで、生活がさらに楽しくなりそうですね。
※【画像・間取り図出典元】いずれも「リノベエステイト」