パリの暮らしは高い?2024年の物価事情を東京と比較してみた
オリンピック開催地として注目度が上昇したフランス・パリ!日本からの海外旅行先としても人気の高い場所です。移住先として憧れている人もいるでしょう。今回は、東京とパリの生活費を比べてみました。食費、家賃、交通費 などの具体的な金額はもちろん、物価高の理由 やフランスの税金事情 まで詳しく見ていきましょう。
パリってどんな街?
世界的にも知られるフランスの首都がパリ。一年中、世界から多くの人が訪れる観光地でもあり、長くヨーロッパの文化をけん引してきた街でもあります。そんな街の中には多くのミュージアムや一流ブランドのショップ、文化財なども点在。今なお、世界に文化を発信し、「華の都」「芸術の都」と呼ばれるように世界が憧れる街なのです。
そんなパリですが、街の規模としてはそれほど大きくなく、山手線と同じくらいの規模です。中心にはセーヌ川が流れており、自然も豊か。比較的治安もよく、高級住宅地があるエリアと、大学などが多い文教エリアなどに分かれています。
世界の生活費ランキングでは何位?
パリが注目されるのは、生活費の高さ。英経済誌エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」による2020年の報告書では生活費の高い都市ランキング1位となりました。2023年の報告書でもパリは7位にランクインしています。ちなみに、東京は円安の影響もあり60位でした。
東京より物価は高い?パリと東京の生活費を比較してみた
では、パリで生活をしようとすると具体的にどのくらいの生活費がかかるのでしょうか。世界各年の生活費データベースサイト「Numbeo」のデータ※をもとに、東京とパリの1カ月の生活費を比較してみました。※2024年3月上旬のデータ
食費
食費全般の比較は難しいのですが、個別に比べるとかなりの差が見えてきます。例えば手頃な価格のレストランで食事をする場合、東京は1000円程度ですが、パリは2934円が相場です。食パンは東京なら279円である一方、パリは300円、卵1ダースは東京では335円ですが、パリでは738円ほどとかなり高額です。
家賃
都心部にあるベッドルームが1つの単身タイプマンションの場合、東京は14万3815円で、パリは23万5525円。63.8%もパリが高くなっています。
交通費
片道交通費の平均は東京で200円のところ、パリでは342円ほどかかります。ガソリン代は1リットルあたり東京で172円、パリは307円です。
なぜパリの物価は高いの?
フランスの物価高は、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻の影響など、世界共通の理由だけでなく、フランスの賃金制度にも主な要因があります。フランスの最低賃金は、物価が2%あがると連動してあがるというものですが、これにより、2021年5月から1年で5.9%も賃金が上がることになりました。これにより、商品やサービスの価格が上昇したのです。
2023年6月に、フランスの経済相は「インフレはようやくピークに達したが、高止まりが続く」というコメントを発表しました。物価上昇は、この先も続くと予測されています。
フランスの税金事情
フランスの税金事情はどうなっているのでしょうか。生活に直結する買い物にかかる消費税は20%と日本より高い税率です。しかし、幅広い品目に軽減税率が適用されており、例えば毎日食べるバゲットは5%、サンドイッチは10%など細かく設定されているのが特徴です。
世界から憧れられる街「パリ」。消費税率も高く、物価の面から見るとかなり暮らしづらそうですが、パリの人々はその中でも自分のライフスタイルを重視しながらゆとりをもった生活をしています。パリ暮らしを考える際は、お金の面に加えて暮らし方にも思いをめぐらせてみるといいかもしれませんね。