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住宅ローン控除でいくら戻る?条件や必要書類、確定申告まで総ざらい (3ページ目)

かりる 内山 貴博

そんなAさんが以下の住宅ローンを組みました。

住宅ローン当初借入額

4000万円

2年目年末残高

3900万円

※当初借入額が初年度の残高と同額とします

1年目は4000万円×1%=40万円が税額控除となります。よって、Aさんがあらかじめ源泉徴収され負担している所得税約18万円は全額戻ってくることになります。それでもなお、税額控除は40万円-18万円=22万円余っています。この余った控除額は住民税に適用することができます。

ただし、住民税の場合は以下が控除の限度額となります。
・所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円)
Aさんの場合、276万円×7%=19万3200円→13万6500円が上限となるため、翌年度納める住民税から13万6500円控除されることになります。

つまり、Aさんは所得税・住民税が全額ゼロにはなりませんでしたが、所得税の全額(約18万円)と住民税の上限額(13万6000円)の合わせて31万6000円の大幅減税ができました。
2年目は3900万円×1%=39万円が住宅ローン減税額となり、同様の計算を行います。

5. 2019年の増税後、3年間延長される住宅ローン控除の改正ポイント

減税
【画像出典元】「iStock.com/takasuu」

なお、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられることになっているため、住宅購入者はこの差の2%に神経質になるかもしれません。過去の消費増税後は住宅販売が落ち込んだ反省から、今回は増税後の2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合は住宅ローン控除が10年間ではなく13年間適用できるようになります(平成31年度与党税制改正大綱より)。

原則当初10年間と同じルールで、年末時点の残高×1%で残り3年間も住宅ローン減税を受けることができるのですが、消費増税分に該当する2%が上限となります。マイホームを購入する際、土地は非課税のため建物分が消費税の課税対象となります。もし建物を3000万円(税別)で購入すると増税の影響は3000万円×2%=60万円となります。

よって60万円÷3年=20万円(1年あたり)が11年目~13年目までの住宅ローン控除の上限額になります。仮に11年目に2500万円ローン残高があっても、住宅ローン減税額は20万円となります。

6.住宅ローンの返済期間は平均どのくらい?

 

ここまで住宅ローン控除の制度がどのようなものか、対象や申請時の注意点など細かくみてきましたが、そもそも住宅ローンを借りる人たちはどのくらいの額のローンを組んで、どのくらいの期間で返済しているかご存知ですか。 以下のリンク先では2019年に住宅ローンについてWallet+アプリユーザー1000名以上にアンケートをとり、結果を公表しています。 実際に住宅ローンを組んだ人たちの自己負担額や住宅ローンをいくら借り入れたのかをグラフで確認することができます。 そしてもう一つのリンク先では、住宅ローンを借り入れた平均年齢や返済期間、その他にも金利は固定または変動のどちらが おすすめであるか紹介しており、これから住宅ローンを検討している人にとって有益な情報が得られるでしょう。

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7. 住宅ローン控除が終了する10年目以降に繰り上げ返済もおすすめ

住宅ローンというと「借金」というイメージがあり、ネガティブに捉える人も少なくありません。「できるだけローンに頼りたくないので頭金を貯めたい」という相談を今までよく受けてきました。

ただし、今回紹介した住宅ローン控除が適用できるほか、非常に低い金利水準と団体信用生命保険で死亡保障という意味合いがあることなどを考慮すると、むしろ積極的に住宅ローンを活用してもよいのかもしれません。

一定の金融資産があり頭金として使える場合でも、頭金の金額を少なくしてローンの額を大きくすることも1つの方法として考えられます。頭金として使ってしまったお金は戻ってきません。住宅購入後は何かと支出が増えることもあります。例えば、住宅購入後に必要に迫られてセキュリティを強化したり、車庫や庭を使いやすく手を施したり、予定がなかった支出をする人が非常に多いです。

手元資金が少ないと必要なものも買えない可能性があります。変動金利が1%を下回る水準が長く続いていますが、ローン金利が1%未満でローン減税が1%というのは「実質無料でお金を借りている」といってもよいかもしれません。消費者にとっては非常に有利な状況です。

当初10年間しっかり減税効果の恩恵を受け、住宅ローン控除が終わる10年目以降に繰り上げ返済をしたり、借り換えをしたりといったマネープランもいいかもしれませんね。

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