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将来もらえる年金の受給額はいくら?推移を見ながらわかりやすくFPが解説 (3ページ目)

そなえる 中村 賢司

4. 厚生年金の受給額を増やす方法は?

体操する元気な老夫婦
【画像出典元】「iStock.com/Aja Koska」

 

4-1. 給与額を増やす

厚生年金の受給額は、毎月納める厚生年金保険料で決まります。納めた保険料に比例して将来の受給額が増えるため、仕事を頑張って基本給を上げる努力をする、残業代を稼ぐという方法があるでしょう。

しかしやみくもに働いても厚生年金の受給額は増えません。厚生年金の保険料は4~6月の平均給与で決まるので、7月以降はいくら頑張っても保険料には影響しません。4~6月に残業して給与の額が上がれば、支払う保険料の額も上がりますので、その分将来の厚生年金の受給額が増えることにつながります。

4-2. 厚生年金への加入期間を増やす

定年退職が60歳から65歳に延長された会社も多いでしょう。今は希望すれば65歳まで雇用延長することが企業には義務付けられています。

よって厚生年金の受給額を増やしたい方は、1年でも長く働いて加入期間を延ばすことをおすすめします。

もし70歳まで働ける環境が整っている会社であれば、70歳まで働くのも選択のひとつです。厚生年金は70歳まで加入期間があるので、定年退職後も引き続き保険料を納めることができます。

何度もいうようですが、厚生年金の受給額は納めた保険料に比例して計算されるので、加入期間を延ばすことも検討しましょう。

4-3. 年金の繰り下げ受給を検討する

国民年金や厚生年金の公的年金は原則65歳から受給開始となっています。でも実は、公的年金の受給開始年齢は、1カ月ごとに自分で選択することができます。

65歳より早くもらうことを「繰り上げ受給」、65歳よりも遅くもらうことを「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給を選択した場合、受給する年金額は「繰り下げた月数×0.7%」となっており、12カ月遅らせれば0.7%×12=8.4%、60カ月(5年)遅らせれば0.7%×60=42%の増額となります。

よって70歳まで年金の受給を繰り下げれば、42%も増えるので本来もらえる年金額の約1.4倍ももらえることになります。

しかしこの繰り下げ受給を選択している人は意外と少なく、受給者全体の1.3%。逆に65歳より早くもらう繰り上げ受給をしている人の割合は13.6%となっています。また、国民年金のみの人が繰り上げ受給をしているの割合は32.3%と10人に3人が早めに年金を受給しているのが現状です。

4-4. iDeCoやつみたてNISA・個人年金保険に加入して自助努力で自分の年金を作る!

その他にも、最近話題のiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)やつみたてNISA、生命保険会社が販売している個人年金保険で「じぶん年金作り」をするのも良いでしょう。

iDeCoと個人年金保険は所得控除があるので、節税にもなります。毎月コツコツ積み立てる年金は、公的年金と違い自分で々プランが選べるのも特徴です。無理のない範囲で積み立てる検討をしてみましょう。

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5. 年金受給額をチェックして老後の資産作りを

今まで見てきたように、厚生年金と国民年金の受給額は決して多くありません。これが現状であり、将来的にはさらに厳しい状況となる可能性もあります。

「ねんきん定期便」は必ず毎年チェックして、自分が受給できる年金にもっと関心をもってください。また、より詳しいシミュレーションができる「ねんきんネット」の利用も強くおすすめします。

将来受給できる年金額を確認しておき、今後の働き方やライフプランもしっかり作っておきましょう。イソップ童話のアリとキリギリスのキリギリスにならないよう、今からしっかり備えることが大事です。

年金についてのQ &A

Q. 専業主婦の国民年金保険料は、夫が払っているのでしょうか?

夫がサラリーマンもしくは公務員で妻が専業主婦の場合は、夫が毎月払っている厚生年金保険料に妻の国民年金保険料が含まれています。よって妻は保険料を負担していません。サラリーマン・公務員の無職の妻(専業主婦)は「第三号被保険者」といって、優遇されています。だから専業主婦の多くは夫の扶養範囲で収入を抑えようとしているのですね。

Q. 離婚しても夫の年金の一部をもらうことはできますか?

できます。ただし原則として離婚をした日の翌日から起算して2年以内に請求する必要があります。この場合、妻が専業主婦であっても、夫の厚生年金の一部を請求することができるのです。一部とは、夫の公的年金受給額の半分ではなく、婚姻期間中の厚生年金の半分となります。また、離婚前でも年金事務所へ行けば年金分割をした場合の受給額も教えてもらえます。

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