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いよいよ始まる金融教育、あなたの金融リテラシー度をチェック!

そなえる 内山 貴博

いよいよ始まる金融教育、あなたの金融リテラシー度をチェック!

【画像出典元】「stock.adobe.com/InsideCreativeHouse」

近年、お金の知識や判断力である「金融リテラシー」の必要性が高まっており、お金や投資に関する書籍が数多く出版されています。とりわけ子供に対する金融教育も重要視されており、2022年度より高等学校でも金融教育が始まります。

従来もクレジットカード利用の注意点を学ぶといった機会は設けられていましたが、今回は必修科目の家庭科の授業において「家計の資産形成」が盛り込まれています。つまり学生が株式投資などを積極的に学ぶことになるのです。

投資はギャンブル?

「貯蓄から投資へ」というキャッチフレーズのもと、iDeCoやNISAなど税制メリットのある制度の導入によって投資に興味関心を持つ人が増えてきました。ただし、今なお、「父が株だけはやるなと言っていたので・・・」といった具合に、株式投資などに良い印象を持っておらず、中には「多くの人が損をするもの」と、投資をギャンブルのような位置づけで捉えている人も少なくありません。

しかし、私たちが日ごろ便利と感じている商品やサービス、その多くは上場会社や有名企業など「株式会社」が作って提供しているものです。これからは家計管理の一環として「株式を発行する」「購入する」「流通する」という仕組みを学び、預貯金以外にも株式や債券などの金融商品を保有することの意義を、高校生の頃からしっかりと理解することが求められることになります。

金融庁が学生向けに用意している情報がある

金融庁は金融教育の後押しとなるべくさまざまなコンテンツを用意しています。そのうちの1つが「基礎から学べる金融ガイド」です。投資信託などの仕組みも解説されている冊子となります。

また、10分前後の動画でライフプランや資産形成について学ぶことができる動画もあります。これは学生向けに加え、教員向けの動画もあるため、学校教育にかかわる方にも視聴していただきたいものです。

民間企業も金融・経済教育の普及に乗り出している

銀行などの金融機関をはじめ民間企業も積極的に金融・経済教育の普及に力を入れています。例えば野村證券は小、中、高校に分けてさまざまなカリキュラムを用意し、出張講座を行っています。

近年普及が進み、多くの人が利用しているキャッシュレス決済のなかには、貯まったポイントを投資信託で運用できるサービスを提供しているものもあります。もともと現金決済であれば付いていないポイントだからこそ、思い切って投資に回せます。そして投資の必要性を感じるきっかけにもなりそうです。こういった取り組みは今後も増えていきそうですね。

あなたの金融リテラシーはどのくらい?

金融の教育
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みなさんはご自身の金融リテラシーの高さについてどう感じていますか?2019年に金融広報中央委員会が行った金融リテラシー調査の一部に「金融リテラシークイズ」というものがあります。全部で5問。それほど時間は要しませんので、まずはみなさん自身、それぞれ挑戦してみてください。問題の後に日本人の平均点も紹介します。ぜひ平均点以上を目指して!

1)家計の行動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれでしょうか?
1.家計簿などで、収支を管理する
2. 本当に必要か、収入はあるかなどを考えたうえで、支出をするかどうかを判断する
3. 収入のうち、一定額を天引きにするなどの方法により、貯蓄を行う
4. 支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する

2)一般に「人生の3大費用」といえば、何を指すでしょうか?
1. 一生涯の生活費、子の教育費、医療費
2. 子の教育費、住宅購入費、老後の生活費
3. 住宅購入費、医療費、親の介護費

3)金利が上がっていくときに、資金の運用、借り入れについて適切な対応はどれでしょうか?
1. 運用は固定金利、借り入れは固定金利にする
2. 運用は固定金利、借り入れは変動金利にする
3. 運用は変動金利、借り入れは固定金利にする
4. 運用は変動金利、借り入れは変動金利にする

4)10万円の借り入れがあり、借入金利は複利で年率20%です。返済をしなければ、この金利で、何年で残高は2倍になるでしょうか?
1.2年未満
2. 2年以上5年未満
3. 5年以上10年未満
4. 10年以上

5)金融商品の契約についてトラブルが発生した際に利用する窓口や制度として、適切でないものは?
1. 消費生活センター
2. 金融ADR制度
3. 格付会社
4. 弁護士

以上5問です。
正解は以下です。皆さんは何問正解できましたか?

<正解>
1)4. 支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する
2)2. 子の教育費、住宅購入費、老後の生活費
3)3. 運用は変動金利、借り入れは固定金利にする
4)2. 2年以上5年未満
5)3. 格付会社

なお1問20点、100点満点で全国平均は52.6点(男性54.3点 女性50.8点)となっています。3問以上正解できた人は平均以上の金融リテラシーを有していることになります。個別の正解率は以下です。

問2~問4は正解率が50%を下回っています。

まず問1の家計行動として適していないものは「4. 支払いを遅らせるため、クレジットカードの分割払いを多用する」です。たしかに1回払いや2回払いの場合は利息もつかないため、クレジットカードを上手に使えば資金繰りという面では効果的です。

ただし、ただ単に「支払いを遅らせる」ためにカードを多用するのは使い過ぎにつながります。さらには「分割払い」は利息の負担も大きくなるため、上手な家計管理を心掛ける上でできれば避けたい方法の1つです。

問2の人生の三大支出は「子の教育費、住宅購入費、老後の生活費」です。特に老後資金をいかに準備するか?というのは大きなポイントとなります。例えば老後資金準備で投資信託の積み立てを始めたものの、その数カ月後に「少し下落して不安です。やっぱり安全な定期預金で積み立てをします」と投資をやめる人もいます。30年、40年先を見据えて長期投資を行う上で数カ月という目先の価格変動でプランを変更するのは少し残念です。

ゴールが先であればあるほど、大きなリターンが見込める投資信託などに一定の資産を配分することはとても大切です。三大支出を踏まえた上でそれに対する準備の仕方、考え方もしっかり身に付けておきたいところです。

問3の金利上昇局面では「運用は変動金利、借り入れは固定金利にする」というのが原則です。金利が上昇している局面で数年間金利が固定されるような定期預金にお金を預けると、その期間金利上昇の恩恵を受けることができません。その逆に、ローンなどお金を借りる場合は固定金利にしておくことで金利上昇に伴う支払利息の増加を抑えることができます。

問4は最も正解率の低い問題です。答えは「2年以上5年未満」です。お金を借りている場合の話ですが、シンプルに10万円が20万円になるまでの年数を考えることで答えが出ます。年率20%なので、10万円の20%=2万円、よって2万円×5年で10万円となりますが、ここで重要なのが「複利」です。

複利は利息にもさらに利息がつきます。初年度借りた10万円に利息2万円が生じ、返済していないため、次の年には12万円の借入残高があることになります。よって次の年は12万円に対して20%の金利が生じるのです。よって、「単純に考えると5年だが、利息にも利息が付くため、5年より少し短くなるのでは?」ということに気付いてもらいたい問題でした。

問5は最も正解率の高い問題です。「格付会社」が正解です。格付会社が相談窓口ではないということは多くの方が気付いたようです。

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