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収入の少ない20代が金融リテラシーを身につけるための3つの方法

ためる 権藤 知弘

収入の少ない20代が金融リテラシーを身につけるための3つの方法

【画像出典元】「iStock.com/LeoPatrizi」

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの権藤知弘です。

金融リテラシーという言葉をご存知ですか?

リテラシーとは知識や判断力のことです。つまり金融リテラシーとはお金に関する知識や判断力のことをいいます。

日々の生活のなかで、何かを買ったり、給料をもらったり、お金を貯めたり・・・さまざまな形で「お金」に関わって暮らしています。

金融リテラシー(「お金」に関する知識や判断力)は、私たちが経済的に自立し、しっかり判断するために欠かせないものとなってきました。今回は20代で身につけておきたい金融リテラシーについてお話しします。

1)20歳以下が最下位。 日本人の金融リテラシーの現状は?
2)FPが20代にすすめる、金融リテラシーを身につけるための3つの方法

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1)20代以下が最下位。日本人の金融リテラシーの現状は?

2016年に金融広報中央委員会が、日本の人口分布に合わせた18歳から79歳までの2万5000人を対象にインターネットを使って金融リテラシーについて調査した結果をまとめたものが下表です。

金融リテラシーマップの表
*金融広報中央委員会作成

調査の結果、正誤問題の正答率は55.6%。

どんな問題かといいますと、たとえば、

「人生の3大費用とは何を指すでしょうか」
「金融トラブルに巻き込まれないための行動として、適切でないものはどれでしょうか」のような設問です。他にも利息やインフレ率などを使った簡略な計算問題もあります。

正答率を分野別にみると、「金融取引の基本」が72.9%と最も高く、48.8%と最も低い項目が「金融・経済の基礎」となりました。

正誤問題の正答率は、18~29歳の年齢層が42.9%で最も低く、年齢が上がるとともに上昇する傾向にあります。(70代で若干低下)。

金融リテラシー棒グラフ
*金融広報中央委員会作成

この結果から見えてくることは、こんな感じでしょうか?

(1)    半数以上の人が金融リテラシーを持たないまま社会に出ている。
(2)    年齢上昇とともに経験を積むことによってリテラシーが上昇しているが、それでも最大で6割強であり全体としては少ない。

これは日本ではお金に関する教育を受ける機会が少ないことが大きな原因と考えられます。

皆さんは学校やご家庭でお金に関する授業を受けたことはありますか?

お金と無縁の生活を送ることはありえませんが、残念ながら学校教育の場や各ご家庭でも金融教育を受けていない人がほとんどです。これは一般論として、「お金の話をすること=卑しいこと」という文化が日本にあることによるものだと考えられています。

年齢が上がるにつれ金融リテラシーが上昇しているのは、仕事上でもプライベートでもさまざまな経験(結婚・子育て・マイホーム購入など)をすることで否応なしに身についてくることもあるからでしょう。

これは、日本人の金融リテラシーが経験値でしか上がっていかない状況を表しています。

20代ではまだまだ収入が少なく、お金を貯めたり増やしたりすることまで手が回らないというところが本当のところだと思います。つまり経験値が低い=金融リテラシーが低いということになります。

2) FPが20代にすすめる、金融リテラシーを身につけるための3つの方法

買い物する女性
【画像出典元】「iStock.com/miya227」

先日、厚生労働省が2017年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳となり、ともに過去最高を更新したことを発表しました。今の20代の方の平均寿命はもっと伸びているのでなないでしょうか?

最近、人生100年時代といわれるようになりました。この100年時代を生きる20代に身につけてほしい金融リテラシーを、筆者は下記のように考えます。

金融リテラシーを身につける方法(1)まずはライフプランニングを!

人生設計ができていなければ、今後必要となるお金の額も分かりません。一度しっかり予定を立てることはとても大切なことです。

金融リテラシーを身につける方法(2)必要な金額を計算しましょう!

車や結婚、住居、老後など生活費の他にも、人生の節目で必要なお金がたくさんあります。人生設計に基づき、その予算がどれぐらい必要かによって準備の方法が変わってきます。

金融リテラシーを身につける方法(3)必要なお金を準備する方法を考える!

必要なお金がシミュレーションできたら、今度はそのお金を準備する方法を考えます。

そうした際の優先順位として、まずは家計管理と生活管理をキチンとすることから始めましょう。ここがうまくコントロールできるようになると、金銭的にも少し余裕が出てくると思います。

そのうえで、ライフプランの実現のために必要な金融商品を検討しても遅くはありません。(*車の保険だけは早急に)

20代にとって身近な金融商品は生命保険や貯金、つみたてNISAなどだと思います。

何のために必要なのか?
金額や商品が適切なのか?

よく調べて比較することです。

比較する
【画像出典元】「iStock.com/metamorworks」

上に挙げた3つはとても大事な項目です。

わからないことはまわりに相談してもいいと思います。思い込みやブームにあおられて金融商品に手を出すと、失敗してしまう可能性が高くなります。

皆さんも「なんであのときにコレを買ったのかしら?」という経験があると思います。金融商品も同じです。ここだけの話、金融商品で失敗すると経済的にも精神的にも想像よりダメージがありますよ。


自分の好きなことや興味のある分野に関しては皆さんも積極的に調べ、情報を追いかけていると思います。金融リテラシーも同様で、お金に関する情報や知識を取り入れようとする関心がなければ、なかなか身につきません。

100年時代に役立つ金融リテラシー、20代のうちに身につけましょう。

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