便利なネット銀行、デメリットも確認!ローン審査厳しいって本当? (2ページ目)
目次
ネット銀行の選び方のコツ
デメリットを詳しく紹介しましたが、それでもやっぱりネット銀行の口座を開設しておくと便利です。そこで、手数料と住宅ローン金利について、住信SBIネット銀行、楽天銀行、auじぶん銀行の3行を比較して紹介します。ネット専業銀行を選ぶ上での参考にしてください。
振込手数料で選ぶ(個人・他行宛)
通常、他行宛の振込を銀行窓口で行うと600~900円程度の振込手数料がかかります。それと比べてネット銀行は、3行ともかなり低水準な手数料です。また所定の条件を満たすと月数回無料で振り込みを行うことができます。楽天銀行においては振り込む度に楽天ポイントがもらえるサービスもあります。
金利で選ぶ 主要ネット銀行金利比較紹介
住宅ローンの新規借入時の金利(変動金利と当初10年間固定金利)は3行ともそれほど大きな差はありません。以前は店舗型の銀行と比べると金利の低さが際立っていましたが、現在はメガバンク、地方銀行いずれも大幅な金利引き下げを実施しており、ネットと実店舗での金利差もそれほど大きくないという印象です。
ただし、住信SBIネット銀行は「全疾病保障」といった保障範囲の広い団体信用生命保険の保険料が金利に含まれているのが大変魅力的です。楽天銀行は雇用保険に加入していない自営業や経営者の人も失業の際の保障を特約で上乗せでき、auじぶん銀行は「モバイル割」や「じぶんでんき優遇割」といったau回線を利用している人などに対して金利を下げてくれる優遇策など各社それぞれ魅力的な取り組みを行っています。
ネット銀行で住宅ローンを借りる際の注意点は?
ネット銀行で住宅ローンを借りる際、注文住宅の場合は少し注意が必要です。注文住宅は一般的に土地を見つけて土地代を払い、その後、建築費用の一部または全部を払うといった流れになります。つまり家ができる前に、何回かに分けてまとまった資金が必要となるのです。
住宅ローンの融資実行は住宅の受渡時に行われます。つまり新築の家が建つ前に住宅ローンの融資を受けることはできないのです。店舗型の銀行であれば、「つなぎ融資」などによって、住宅引き渡しまでに必要なお金もカバーしてくれるのが一般的ですが、ネット専業銀行の場合、「建売やマンションに限る」という条件があるなど、つなぎ融資に対応してしないことがあります。注文住宅で住宅ローンを組みたい場合はこの点に注意してください。
ネット銀行のメリット、デメリットを理解して上手に活用を
今回はネット銀行の魅力、そして注意しておきたいデメリットを紹介しました。
・ネット銀行は手数料や金利で優位性が高い
・住宅ローンは手続きなどで時間がかかることも
・金利だけではなく総合的に判断を
「結局私にとってはどちらが良いの?」と迷う方は、ガソリンスタンドを例に考えてみてください。
運転する人なら、誰しも一度はガソリンスタンドに立ち寄ったことがあると思います。このガソリンスタンド業界も、店員さんが給油してくれるスタイルが減って「セルフ」のガソリンスタンドが増えており、ネット銀行が台頭してきた銀行業界と良く似ています。
私はセルフのガソリンスタンドを利用しています。やはり通常のガソリンスタンドより、1リットルあたり1~2円安い点が決め手となっています。一方、私の知人は「自分で給油するのが不安」とセルフで給油したことがなく、必ず店員さんのいるガソリンスタンドを探すそうです。また、車にあまり詳しくない人にとってはタイヤの空気圧やバッテリーなど、給油以外の点も気軽に確認してくれる専門のスタッフがいることは大きな安心感につながります。事故やトラブルの防止にもなりますね。
ネット銀行の金利や手数料は店舗型銀行と比較して割安なものが多いですが、取引頻度や金融資産の額によっては、大きなメリットを感じられるかもしれませんし、年間通してそれほど差を感じないかもしれません。
ただし、一般的に住宅ローンは大きな額の取引になるため、わずかな差でも、長期的に見ると大きな差になることも。“セルフ”で手続きを進めるメリットとデメリットをしっかり見極めながら、慎重に選んでください。
※2022年3月調査時点の情報です。金利や手数料は今後変更となる可能性があります。店舗型の銀行とネット銀行、それぞれ一般的なケースを紹介しています。詳細は各銀行にご確認ください。
ネット銀行についてのQ&A
Q.ネット銀行の1つ「ジャパンネット銀行」の名前を最近聞かなくなりましたが、なぜですか?
A.ジャパンネット銀行は記事中のPayPay銀行に名称が変わったためです。銀行コードや支店名、支店番号、口座番号等は変わっていませんので、ジャパンネット銀行のカードを持っていても引き続きそのまま利用することが可能です。
Q.インターネットバンキングで不正な払い出し被害に遭った場合はどうなりますか?
A.ネット銀行各社はセキュリティを強化していますが、何らかの被害に遭った場合はご自身に過失がない限り預金者保護法の観点から基本的に補償されます。万一、被害に遭った場合はすぐに銀行に連絡をしてください。