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熱中症でも保険が下りる?対象になる条件や内容を解説

そなえる 内山 貴博

熱中症でも保険が下りる?対象になる条件や内容を解説

【画像出典元】「stock.adobe.com/A-RIZE」

「今年の夏の暑さは異常」と毎年のように言っている気がします。数十年前、厳しい運動系の部活動をしていた人は、「練習中に水を飲むのにも許可がいる」という思い出がある人も多いのでは?今では信じられませんね。

今は積極的に水分補給をしなければ、外で運動はもちろんのこと、屋内での生活においても熱中症のリスクが高いと言われています。この熱中症について保険対象となるのか?適用となる保険はどのようなタイプなのか?注意点など1つずつ確認していきます。

入院しなくても、保険のタイプや特約の確認を

基本的に、熱中症も通常の疾病と同じ扱いとなります。ですから、熱中症で入院することになれば、医療保険の入院給付金の対象となります。もちろん熱中症で亡くなった場合の死亡保険も同様で、原則保障の対象となります。ただし、注意点もあります。それは損害保険の普通傷害保険の場合です。

普通傷害保険はケガなどによる死亡や入院はもちろん、通院(外来)でも一定の補償を受けることができるのが特徴です。この普通傷害保険は「急激かつ偶然な外来の事故」が前提となります。「急激」「偶然」「外来」の全てを満たす必要があり、熱中症については「急激」に該当しないため補償されないのが一般的です。「熱中症危険補償特約」などの特約がセットされている場合は補償されるため、必ず加入前に契約内容を確認してください。

レクレーション保険も普通傷害保険の一つ

スポーツ観戦する人々
【画像出典元】「stock.adobe.com/Jacob Lund」

スポーツイベントなどの際に主催者側が参加者を対象にしたレクレーション保険に加入することがよくあります。このレクレーション保険も普通傷害保険に該当するため、「急激かつ偶然な外来の事故」が原則となります。

特に暑い時期のイベントは、主催者側、参加者側ともに、特約の有無などをしっかり確認をしておきたいところです。その他、学生であれば、学校を通じて普通傷害保険に加入するケースも多いようです。入学時に加入プランを選ぶ場合は、特約の内容までしっかり目を通すようにしてください。

「熱中症になったけど、入院も手術も該当しないし保険は使えない」と決めつけず、上記のようなタイプの保険に特約として加入している場合がありますので、完治後、ご自身の加入している保険をひと通り確認し、問い合わせをしてみてください。

キャッシュレス決済で加入できる新しい保険も

キャッシュレス決済でおなじみのPayPayで加入できる熱中症対策の保険が2022年4月に販売開始となり、熱中症に特化した保険としては業界初ということで話題となっています。

1日100円から加入でき、入院の有無にかかわらず、病院などで医師により点滴治療を受けた場合に治療保険金が支払われます。入院した場合は別途入院給付金も支払われます。夏休みの登山やキャンプ、海水浴など楽しいイベントは熱中症リスクとも背中合わせです。出かける前にスマホのPayPayアプリから気軽に加入できるのも助かりますね。

まずは熱中症にかからない対策を!

熱中症予防対策の水と帽子
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これは熱中症に限った話ではなりませんが、まずは事故やケガ、病気から身を守るための対策を徹底することが大切です。

「熱中症になっても、日陰で休み水を飲めば回復できる」と安易に考えている人も多いようです。しかしある専門家によれば、「ゆで卵にいくら水をかけても生卵には戻らない」ように、一度熱中症になるとそう簡単には回復しないそう。自分が今加入している保険について、熱中症の際の保障(補償)を確認しつつ、今一度、水分補給・日除け対策など熱中症対策がきちんとできているかどうか日々の行動を見直し、暑い夏を乗り切りたいですね。