これもあれも中身が減ってる!?“隠れ値上げ”の先にあるニッポンとは
監修・ライター
食品や日用品など、価格はそのままで、
あらゆるところで”隠れ値上げ”が続いている。
カルビーの人気菓子「かっぱえびせん」の1袋の内容量は90グラムから77グラムに減っている。ブルボンの「ルマンド」は、1袋13本から12本に。「アルフォート」は11枚から10枚に。ハウス食品のレトルトカレー「カレーマルシェ」は、1パックの内容量を20グラム減らして180グラムに。明治の「おいしい牛乳」は、もう1000mlではない。その内容量は900mlになっている。不二家のカントリーマアムも“小さくなっている”と話題だ。
これらは、商品の値段が変わらないまま容量が小さくなる実質上の値上げ。ヒト呼んで“隠れ値上げ”。 円安などを起点とした原材料費の高騰などが要因で、商品の小型化は、各企業の苦肉の策である。
不誠実だと企業を責めていいのか!?
こっそりと知らないところで“隠れ値上げ”をする企業を、卑怯だの、狡いだの、不誠実だと責めていいのか!?量などの内容表示を明確にしているという点においては、騙しているわけではない。利益を確保して企業存続のために、黙ってやっただけの話である。
ワタシは、糖尿病である。カミさんから糖質制限を強いられている。でも、黙ってこっそり深夜にピノを食べる。ギスギスしない夫婦関係のために、あくまでこっそりとだ!?
“隠れ値上げ”は、ブランドにとってリスク!?
そう、いつか、こんなものはバレるのである。黙ってやっていたら尚更である。カントリーマアムが小さくなった事件は、案の定、ネットで騒がれた。“隠れ値上げ”の不誠実さは、ブランドリスクを増大させる可能性がある。
では、なぜバレるのを前提に“隠れ値上げ”に踏み切るのか!?そんなもん簡単な話である。純粋に値上げをしたら売上が落ちるからである。消費者は、その企業のやりくりなど関係ないと言わんばかりに、安い方が良いとの選択を続けるからである。要は、我々の消費スタイルの浅はかさが“隠れ値上げ”を招いている。
“シュリンクフレーション” のその先にあるのは、疑心暗鬼の消費社会である。信用も、信頼もない消費社会が発展するわけがない。信用経済の実態とは、消費が生み出す信用と信頼の循環である。困惑するほどの円安が進んでしまうのも、日本の信用と信頼が目減りしている証左である。
最強の戦略は“誠実と正直”じゃないのか!?
ワタシは、カミさんの小言が怖くて深夜にピノを食べていることを隠している。でも、きっとバレている。アーモンド味から減っていくのだもの!?バレバレだ。大目に見てもらっているだけの話だ。こうなりゃ、誠実に話して、カミさんに許しを請うた方が、夫婦関係の維持には良い。笑
大人たちのとってつけたような言い訳は、世の中を良くしない。バレちゃってからの開き直りは、見苦しい。記憶にございませんなど、言語道断。
やっていることと、言っていることを一致させる。
正直に、誠実に、愛嬌をちょい足して、消費者にお願いする。
企業は、消費社会を信じる。
信じ切ると言ってみてから、対策を詳細に練る。
ピノのアーモンド味だけ、毎日1個、食べさせてくれ!!
今夜、カミさんに、誠実にお願いしてみることにする!!