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副業や一時所得がある人必見!会社員の確定申告、注意点まとめ

そなえる 内山 貴博

副業や一時所得がある人必見!会社員の確定申告、注意点まとめ

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最近、副業や資産運用など、お給料以外に所得がある会社員の方が増えています。会社員は年末調整するのが基本ですが、確定申告が必要なケースもあります。しかし、「こういう収入があるけど確定申告は必要?」と疑問が浮かんでも、あまり細かいことは把握できていないという人もいるのではないでしょうか。今回は会社員が確定申告が必要となるケースについてまとめました。漏れがち、忘れがちなものも多いのでぜひ参考にしてください。

一時所得がある人は注意!会社員でも確定申告が必要なケース

会社員の場合、毎月の給与から所得税が源泉徴収され、年末に年末調整が行われるため、原則確定申告は不要です。今まで確定申告をしたことがないという会社員の方も多いと思います。ただし主に以下の3つに当てはまる場合は、年末調整を行った人でも確定申告を行わなければなりません。

中でも、確定申告を忘れがちなのが②のケースです。

「20万円以内は確定申告不要」は所得税だけ、住民税の申告を忘れずに

「会社員としての年収が500万円で、副業での所得が15万円」
こういった場合、確定申告は不要です。所得税法に「20万円以下のものは(中略)申告書を提出することを要しない」と規定されています。ただし、あくまで確定申告が不要なだけで非課税ではありません。「少額なのでわざわざ申告しなくてもいいですよ」という位置づけです。

よって、医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除等で確定申告を行う場合は20万円以下の所得でも申告する必要があります。また、「所得が20万円以下なら確定申告は不要」というのは所得税のみの規定であり、住民税にはそのような規定がないため、20万円以下の所得であっても住民税の申告は必要となります。

所得税の申告は管轄の税務署ですが、住民税の場合はお住まいの市区町村の役所・役場が窓口になります。その点、注意してください。(所得税の申告を行う場合は税務署と役所が連携しているため、別途住民税の申告手続きは行う必要はありません)

なお“所得”は収入から必要経費等を差し引いた額です。よって副業の場合、売上ベースではありません。売上から材料費や交通費などのかかった費用を引いた額になります。

<給与・退職以外の所得20万円のまとめ>

以下紹介する「会社員が忘れがちな所得」につきましては、20万円を超えるかどうかによって、それぞれ適した手続きを行ってください。

会社員が忘れがちな「確定申告が必要な所得」とは

ポイント
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満期保険金・解約返戻金など一時所得がある時

養老保険が満期を迎えた場合や終身保険を解約した場合は、一時所得に該当します。一時所得は以下のように計算します。

収入-かかった費用-特別控除50万円(最大)

「特別控除があるため、保険金と支払った保険料との差額が50万円を超えなければ良い」と思われがちですが、この最大50万円の特別控除は年間を通じた一時所得に適用されます。その年に別の終身保険を解約したり、養老保険の満期金を受け取った場合は、それらを合算して計算することになるため、その点注意してください。保険契約ごとに50万円控除されるわけではありません。

副業を行っている場合

例えば、会社から帰宅後、パソコンを使ったインターネット上で物販やサービスの提供などで副業を行うというようなケースです。副業の仕方や帳簿を付けているかどうかなどによって「事業所得」または「雑所得」に該当します。いずれも確定申告が必要となりますので、売上や費用の管理を徹底するようにしてください。

家賃収入がある場合

「お給料が上がらない」「老後が心配」といった理由などでアパートやマンションなど不動産投資を始める人もいます。この家賃収入は不動産所得となります。減価償却などを考慮し税務上マイナスとなる場合は給与所得などと損益通算も可能です。所得が生じた場合、損益通算を行う場合、いずれも確定申告が必要となります。

株式や投資信託の取引において特定口座で「源泉徴収あり」を選んでいない場合

NISAやつみたてNISAであれば投資に対する利益は非課税ですが、それ以外は当然課税対象です。特定口座内で「源泉徴収あり」を選んでいれば確定申告は不要ですが、「源泉徴収なし」を選んでいる場合(「簡易申告口座」と言われます)や、一般口座で運用している場合で、利益が発生すれば確定申告が必要です。

外国為替証拠金取引(FX)の利益がある場合

FXの取引で利益が発生した場合は、雑所得に該当し、申告分離課税扱いとなります。「分離課税」のため、他の所得とは分離され、税率は所得税・住民税・復興特別所得税合わせて20.315%となります。年間の取引を1つ1つ細かく確認する必要はなく、年間の取引報告書をFX会社から入手(ダウンロードするなど)できますので、それを参考に手続きを行ってください。

暗号資産(仮想通貨)を換金し利益を得た場合

仮想通貨もFX同様、雑所得に該当し、申告が必要となります。FXとの違いは「分離課税」ではなく「総合課税」となる点です。よって給与等と合算し計算することになります。所得税は5~45%の超過累進税率であるため、所得が大きいほど税負担が大きくなります。

また仮想通貨の場合、例えばビットコインからイーサリアムに交換した場合や、仮想通貨を使って買い物をした場合も換金と同じ扱いとなります。取引所(業者)が期間損益報告書を用意してくれるケースが多いです。

外貨預金の為替差益がある時

外貨預金の為替差益も雑所得となります。利子にかかる税金は円預金と同じく源泉分離課税として課税関係が終了していますが、為替差益が雑所得に該当し、確定申告の対象となります。米ドル預金で言えば、預け入れた時よりも円安・ドル高となり利益が生じている場合です。

一方、その逆で為替差損が生じた場合はどうなるのでしょうか?損益通算できれば全体の税負担が軽減されるのですが、残念ながら他の所得(黒字)と通算することは認められていません。これはFXや仮想通貨も同様です。よって確定申告を行うのは黒字の時に限られます。

海外の銀行口座に預けている場合は要注意

外貨預金の利子所得は円預金と同じ扱いで源泉分離課税・申告不要ですが、これは国内の銀行において外貨預金を行っている場合です。海外に銀行口座を持っている場合は扱いが異なります。

海外赴任先で銀行口座を開設して今も残高があるという場合や、近年では国内からの資金逃避目的や、より有利な運用先として香港・シンガポールなどに海外口座を開設する人もいます。このような海外の銀行口座に生じる利子は総合課税の対象となり、他の所得と合算して確定申告を行う必要があります。

確定申告をする際に気を付けておきたい注意点

注意点
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会社員が忘れがちな「確定申告が必要な所得」について紹介しました。では、実際に確定申告をする際の、ちょっとした注意点についても紹介します。

ふるさと納税をワンストップ特例で申請したけど他の件で確定申告する場合

ふるさと納税をする際、5カ所以下の自治体への納税であればワンストップ特例制度を利用できます。本来、確定申告で所得税と住民税から控除しますが、ワンストップ特例を行うことで確定申告が不要となります。寄付先団体と居住地の役所等が寄付額を共有することで「住民税のみ」に寄付金控除を適用する制度です。

ただし、このワンストップ特例は「確定申告をしない」ことが前提のため、何らかの別の申告のために確定申告をした場合は適用されません。よって、確定申告をすることになった場合は「寄付金控除」についても記入することを忘れないでください。

住民税を「普通徴収」にしたい場合

住民税は「普通徴収」と「特別徴収」があり、会社員の場合は基本的に「特別徴収」となっています。勤務先が所得税と合わせて前年度の住民税を毎月徴収するため、自身で納付する必要はありません。

ただし、給与以外に所得があって申告した場合、当然、会社側が徴収する住民税額も変わります。結果、給与以外にも所得があることを会社に把握されてしまうことになります。よって、もし会社に他の所得を把握されたくない場合は、「普通徴収」にすることで、その分の住民税の納付書は自宅に届き、自ら納付することが可能です。

普通徴収にしたい場合は申告書の第二表に「住民税に関する事項」があり、そこで「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」を選ぶ欄がありますので「自分で納付」にチェックを入れてください。

退職して働いておらず、年末調整していない

年の途中で退職をし、その後再就職をしていない場合は年末調整が行われていません。よって退職までに徴収された所得税と実際納めるべき額に過不足が生じます。多くのケースでは還付となり戻ってきますが、この場合も確定申告が必要です。なお、還付申告の場合は確定申告の2月16日を待つことなく、年明け以降すぐに手続きを行うことができます。

確定申告を忘れていた場合の申請の仕方・しなかった場合のペナルティ

お金とペナルティ
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確定申告は翌年の2月16日~3月15日に行い、そして納付するというのが原則です。必ず期日までに申告をしてください。また口座振替で納税する場合は4月下旬に引き落としとなります。預金残高には注意してください。

期日を過ぎた場合は、別途、無申告加算税が加算されます。ただし、1カ月以内に自主的に申告した場合などは無申告加算税が加算されませんので、申告していないことに気づいた場合は速やかに申告するようにしましょう。期限を過ぎても、「期限後申告」として受け付けてくれますので、国税庁のホームページなどから手続きを行ってください。

なお、申告しなかった場合や申告額が少なかった場合は、先に紹介しました無申告加算税に加え、申告しなかった期間に応じて「延滞税」が課せられます。また、悪質な場合は「重加算税」も課税されます。

期限内に申告し、誤り等で納税額が少なかった場合の時効は3年で、期限後申告の場合は5年となります。一方、悪質な場合の時効は確定申告期限翌日から7年となり悪質な度合いが高いほどペナルティとしての税の加算も多く、そして時効も長くなります。

過去、「少なく申告してしまった・・・」、「そもそも申告しなかった・・・」という場合は少しでも早く申告してください。

まとめ~今後、会社員も確定申告をする機会が増える!?~

2020年からのコロナ禍によって価値観や働き方に大きな変化が生じた人も多いと思います。「リモートワーク」、「ワーケーション」といった新しい働き方も浸透し、また副業を許容する会社も増えています。「税金関係は会社が行ってくれるから」ではなく、毎年必ず源泉徴収票を見ながら、いくら所得税を払っているのか、還付されるものはないか、他に申告するものはないか、などといった確認を習慣にしてください。

会社員の確定申告についてのQ&A

Q.正社員で雇用されましたが、給与所得ではなく事業所得になるため確定申告が必要だと所属会社に言われました。なぜですか?

A.歩合制が中心となっている保険外交員などは「給与」と明細にあっても事業所得に該当し、毎年確定申告が必要となる場合があります。その際、営業活動にかかった経費を控除することができます。就職や転職をする際は事前に確認してください。

Q.年の途中に会社を退職したのですが源泉徴収票をもらっていません。

A.会社は退職者に対し、退職後1カ月以内に「給与所得の源泉徴収票」を交付することになっています。会社から、または会社が経理業務を委託している会社や会計事務所等から書類が届いていないかもう一度確認してください。また電子交付も認められていますので、メール等で届いている可能性もあります。それぞれ確認し届いていない場合は一度会社に連絡をしてください。