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香港行き航空券が無料!?「ハロー香港」キャンペーンとは?

経済とお金のはなし 山下 耕太郎

香港行き航空券が無料!?「ハロー香港」キャンペーンとは?

【画像出典元】「noina/Shutterstock.com」

香港特別行政区政府の李家超(ジョン・リー)行政長官は、2月2日に大規模なプロモーションキャンペーン「ハロー香港(Hello Hong Kong)」の開始を発表しました。このキャンペーンは、特に「ワールド・オブ・ウィナー(50万枚の無料の香港行き航空券の提供)」が目玉です。この無料券の配布だけで総額300億円を超え、とても太っ腹なプレゼントになっています。

コロナで激減した観光客を呼び戻せ!

観光客
【画像出典元】「stock.adobe.com/Maridav」

観光は香港の重要な産業のひとつです。しかし、新型コロナウイルス対策が3年間も続き、ほとんどの国々から閉ざされていたので、香港の経済は弱まりました。CNNによると 、新型コロナウイルスの影響で、香港では外国人観光客だけでなく、居住者数も1.6%減少。この減少率は、1961年以降で最も大きなものでした。

コロナ禍以前は、年間約5600万人の観光客が訪れていましたが、2021年には約10万人に急減。香港政府は、去年9月に隔離措置を緩和する方針を発表しましたが、その対応が遅かったと批判されました。

さらに、同じアジアの観光都市であるシンガポールやバンコクに後れを取る形に。そこで、香港政府は「ハロー香港」というキャンペーンの一環として、無料航空券を配布することにしました。これは、観光客を呼び戻し、香港を再び魅力的な観光地としてプロモートするための取り組みです。

香港の観光局によると、「ハロー香港」キャンペーンで提供される50万枚の無料航空券は、3月1日から3つの香港地元航空会社(キャセイパシフィック航空、香港エクスプレス、香港航空)によって配布。香港政府が肩代わりする航空券の総額は約2億5500万ドル(約342億円)になります。

3月1日からまず東南アジア地域で配布が始まり、4月からは中国本土、5月からは日本を含む北東アジアおよびその他の地域でも配布が行われる予定です。配布期間は、3月から6カ月間です。

さらに、香港に滞在する旅行客には、「Hong Kong Goodies」という特典が用意されており、100店舗以上で使える無料ドリンクサービスや、140店舗以上のショップやレストラン・施設で使える100香港ドル分の割引クーポン・商品券、一部の体験施設や博物館の限定記念品(100香港ドル以上相当)などが提供されます。

ただ、「Hong Kong Goodies」は香港に滞在する訪問者(90日以内)に限定されています。また、数量限定で、先着順です。
とくに人気が高まりそうなのが香港ディズニーランドの 「魔法をよみがえらせよう」チケットオファーです。具体的なオファー内容は、以下の通りです。

  • 期間2024年2月29日まで
  • 価格 

大人(12~64歳)HK$904(約15,280円)→HK$759(約12,820円)
小人(3~11歳)HK$679(約11,470円)→HK$569(約9,610円)
※2023年4月時点(HK$=約17円)での換算レートで表示
3歳未満のお子様は入場料無料です。

この特別価格で、さらに下記の特典もついてきます。

  • 2 x HK$10分の商品割引券(計HK$ 20分)
  • 1 x ポップコーン「1杯購入で1杯無料」クーポン
  • 1 x HK$15コンボ割引クーポン

2020年4月から無料航空券を用意していた香港政府

航空券
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今回の無料航空券は、実は2020年4月に香港空港管理局が50万枚の航空券を事前購入していたもので、新型コロナウイルスの影響で経済的苦境に陥った香港の航空業界の資金繰りを助けるために行われたものでした。

しかし、香港政府はこれらの航空券をハロー香港キャンペーンの一環として、観光振興を図るために配布することを決定しました。香港空港管理局の林天福CEO(最高経営責任者)は、「水際対策が解除される日を3年間待ち続けた。そして、香港政府と協議した結果、これらの航空券を配布する機が熟したと判断した」と述べています。

ただ、国別の配布数はこれまでの旅行者数の実績が考慮されます。日本への割り当ては2~3万枚程度という観測もあり、5月からの配布はあっという間になくなる可能性もあるので、このキャンペーン利用を考えている人は注意が必要です。