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脱Twitter加速なるか?「Threads」の今知っておきたい注目ポイント

経済とお金のはなし 中新 大地

脱Twitter加速なるか?「Threads」の今知っておきたい注目ポイント

【画像出典元】「rafapress/Shutterstock.com」

こんにちは、コピーライター/ランサーズ新しい働き方LABコミュニティマネージャーの中新大地です。

イーロン・マスク氏(X社)が改革に大鉈を振るうTwitter(現X、以下同)に、辟易とする社員・ユーザーの声が散見されるなか、その対抗馬となりうるSNSが急成長を続けています。

それが「Threads(スレッズ)」。
FacebookやInstagramで知られるMeta社(元Facebook社)が新たに世に送り出したこの注目株は、いったいどのような特徴を持っているのでしょうか。今後の展望も含めて解説します。

Threadsの注目機能と今後の可能性、新たな一大SNSの誕生か

Instagramを提供するMeta社が送り出したThreadsは、「ブログのように使えるTwitter」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
スレッドと呼ばれる投稿(Twitterにおけるツイートと同じ)では、1投稿あたり最大500文字、画像は10枚まで同時に投稿可能(無料版のTwitterは最大140文字、画像は4枚まで)です。動画も5分までとかなり長尺のものが投稿できます。なお、現在のTwitterでしばしばやり玉に挙げられることがある広告も現況存在しません。
デザインやUIはシンプルで、Instagramのようなおしゃれさを感じさせます。

ただ、ThreadsにはInstagramのようなハッシュタグ機能やDM機能がなかったりと、シンプルであるが故の物足りなさもあります。さらに、PCブラウザからは閲覧はできても投稿ができないことや、良くも悪くもInstagramと紐づけがされてしまうため、使い分けがしにくいといった点もあります。このあたりはリリース直後ということもあり、今後の改善に期待するしかないでしょう。100カ国以上で提供開始したにもかかわらず、Threadsがユーザーに提供を求めるデータが膨大で、プライバシー保護の観点から提供が許可されていないことも課題となっています。

ClubhouseにBluesky、乱立するSNSたち

スマホを見る若者たち
【画像出典元】「stock.adobe.com/iDoPixBox」

今回のThreadsに限らず、SNSは日々新しいものが作られ続けています。
“音声版Twitter”と呼ばれたClubhouseも、リリース当初は大きな注目を集めて、多数のユーザーを獲得しました。
また、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏も、新しい“分散型SNS”としてBlueskyのプロジェクトを牽引しています(現在Blueskyは招待制)。

前者はコロナ禍真っ只中の2020年4月リリースということもあり、ゆとりが生まれた可処分時間と相まって一大ブームが起こりました。しかし、SNS側の整備が不十分でユーザーにとって利便性がとても悪かったこと、招待制のSNSという特別感・閉鎖感が当初は人気を呼んだものの、ユーザーの増加に伴い招待制度が廃止され、魅力的に映らなくなったことなどにより、現在は下火になっています。

ThreadsやBlueskyの分散型SNSの特徴や可能性については後の項でも触れますが、ユーザーが毎日そこにアクセスする理由となるコンテンツを用意できるか、掲げる自由度をどこまで担保できるか、ユーザーに煙たがられる過度な広告や運営による独善的なバージョンアップなどのビジネス色をどれだけ抑えられるかが焦点になってくるでしょう。

Twitterからの乗り換え加速?ユーザーが求めるSNSの未来とは

SNS
【画像出典元】「stock.adobe.com/andranik123」

今回ご紹介しているThreadsがTwitterと決定的に違うのは、「分散型SNSを目指している」という点です。

分散型のネットワークにおけるサービスは、単一の企業や国家による強力な縛りを受けず、ユーザー間で自由な交流が尊ばれる傾向にあります。

マスク氏が強権を振るうTwitterと対比的な印象を受けますし、Twitterからの移動を推し進める原動力にもなっています。事実Threadsは、Twitterが未ログインでは閲覧できないといったアップデートを行いユーザーからの反感を買ったのを見るや、7月半ば~7月末を予定していたといわれるリリース日を、7月6日へと早めたほどです。結果、Threadsはリリースから5日でユーザー数1億人を達成。これは2カ月で1億人を達成したChatGPTを上回る賑わいとなりました。

もっとも、完全な脱Twitterという流れには至っておらず、Twitterと併用しながら状況を見定めしている企業・個人が多い印象を受けます。

Twitterには現在のThreadsやInstagramにはなかなか感じられない、カジュアルさがあります。自分の好きなことの一歩外を出たような情報が流れてくるカオスなタイムラインにも一定の理解がありました。そもそも投稿を「ツイート(つぶやき)」というくらいですから、良くも悪くも適当に使えるのが魅力であり、幅広い顧客基盤を持ったSNSと言えます。

だからこそ、有料化を推し進めたり、マスク氏の言動に大きく左右されたりと、ビジネス色や運営の影響力が強まっている現在のTwitterには反感が集まっているのです。この息苦しさが今後も強まるようであれば、ユーザーはThreadsが目指す分散型SNSや自身の好きなものだけを閲覧できるYouTubeやTikTokといったSNSへの乗り換えが進むかもしれません。

しかし一部報道では、すでにThreads離れの噂も。ある調査では提供から2日で達成した4900万のアクティブユーザー数(Androidユーザー)は、1週間後には2360万までに減少したとのこと。
もちろん、これは提供開始直後のアプリなら無理もない流れではありますが、Threadsも何かしらの手を打たねば、安定したアクティブユーザーの獲得には至らないでしょう。

また、乱立するSNS同士の勢力争い、苛烈を極めるSNS上での著名人・一般人を問わない炎上・誹謗中傷に疲れ果ててしまい、SNSそのものを使わなくなる、あるいは使うとしても閲覧専門になってしまったり、アクティブ率が下がってしまったりといった人も出てくるかもしれませんね。

まとめ

SNS
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自身のThreadsアカウントにて『Glad you're all here on day one. Let's build something great together!(初日から皆さんがここに居てくれて嬉しい。ともに素晴らしいものを築き上げましょう!)』と語った、Meta社のCEOマーク・ザッカーバーグ氏。
彼が語るように、SNSはプラットフォームとユーザー、そしてユーザー同士が共に築く“居場所”のようなものです。

SNSにはさまざまなものが登場していますが、機能はあまり変わらないように見えても、そこで醸成されている雰囲気や生まれるコンテンツは大きく異なります。
議論の的になっているTwitterもある人にとっては居心地がよく、急速に成長するThreadsは寄り付きたくもないような場所なのかもしれません。

「SNS依存」という言葉もあるくらいです。
ひとりひとりがSNSに求めるものはなんなのかを今一度立ち止まって考え、心と体に無理のない範囲で利用するようにしましょう。