常連になりたい町の中華料理店
監修・ライター
9月21日(木)の「Life is Flower」で紹介された記事です。
http://www.brother.co.jp/product/labelwriter/ptj100w/index.htm
参考価格 3000円
地元にいると感じられないかもしれませんが、福岡は長い間、中華後進国といわれてきました。いや、中華といっても、ちょっとオシャレでハイクラスな、コースでいただくような中華ダイニングのことです。そういうジャンルがなかなか根付かない街といわれてきたのです。実際、東京や香港から有名な店が出店しても、あまり賑わうことなくいつの間にか撤退していったという例もあります。
確かに少し前までそういう店といえば、シティホテルの中華くらいしか選択肢はほとんどなかったのです。ところがここ数年、福岡の中華業界は明らかに変貌してきて、東京にも自慢できるような高いレベルの中華ダイニングがでてきていますし、若手のシェフたちが東京や中国、香港などのシェフたちと交流をもってスキルが徐々に上がってきているのを感じます。
カジュアル中華の代表は中洲の老舗「珉珉(みんみん)」
そんな福岡ですがカジュアルな中華料理店は昔からなかなかのレベルだったように思います。その筆頭として挙げたい店が中洲の「珉珉(みんみん)」です。多門通りという小路というかビルの一角というかそういうところにひっそりとあります。
ここで一番有名なのはなんといっても「塩やきそば」(680円)です。ぼくも大好きで、仕事が終わってこれだけを食べに中洲へ足を運んだものです。あとレバーを一度揚げてたっぷりのニラやもやしと炒めた「レバニラ」(730円)やコラーゲンたっぷりの「豚足スープ」(780円)も必食です。中洲のスナックなどには出前もしてくれるまさに町の中華屋です。
お母さんの接客に心が和む「華東楼(かとうろう)」
昨年〈ソワニエ〉で中華特集をやったときに気に入って、ときどきお昼に行くようになったのが大楠の「華東楼(かとうろう)」です。ここはなんといってもお母さんのフレンドリーな接客が抜群です。中国の方なのですが、カタコトの日本語で「お茶、まだある?」「熱いから気をつけて」といったちょっとした気遣いがうれしいんです。
メニューも定食から麺類まで豊富にありますが、「トマト丼」(680円)や「酢豚」(680円)などが人気だそうです。いずれも安くてうまくて量もたっぷりという、大衆中華の王道のような店。近所に住んでたり、帰り道沿いにあったら、しょっちゅう通うこと間違いなしです。
昼も夜も行きたい中華料理店「塋(えい)ちゃん」
さてもう1軒は地下鉄大濠公園駅から徒歩5分くらいのところにある「塋(えい)ちゃん」です。両親が山東省でお店をやってるという環境で育ったご主人が始めたお店で、油控えめのやさしい料理が特徴です。
お昼は定食がメインですが、「台湾ラーメン」(580円)も美味しいですね。他のも食べたいのに、ついついそれと名物バターチャーハンのセットを頼んでしまいます。
夜は上海と四川を中心にした中華の店。お客の好みに合わせてすべての料理の辛さを調整するなど、きめ細やかな対応をしてくれます。「焼き餃子」(6個480円)もなかなか秀逸で、鶏や豚から取ったコラーゲンを混ぜた小籠包餡を使った独特の味わいです。
もちろんお酒もあって居酒屋的にも使えますが、昼も夜も美味しく味わえる正真正銘、町の中華料理屋さんと言っていいでしょう。
まだまだ他にもありますが、それはまたの機会にでもご紹介しましょう。庶民の味方、大衆中華は、昼も夜も、一人でも家族でも行ける間口の広さ、お財布へのやさしさがすばらしいですよね。ぼくが最も愛するカテゴリーといってもいいでしょう。