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あと1年!消費税10%を視野に賢いマネープランを!

そなえる 内山 貴博

あと1年!消費税10%を視野に賢いマネープランを!

【画像出典元】「iStock.com/Nednapa」

消費税10%へ増税。延期されたこともあり、まだまだ先のことと安心していましたが、増税予定の2019年10月が徐々に近づいてきました。今回は、今から考えておきたい増税対策についてまとめてみます。

消費税増税対策のヒントは、前回の増税時の状況に隠されているのでは? まずはどんなことが起こったか、振り返ってみましょう。

消費税が5%から8%に上がったのは2014年のこと。その際にも多くの方から住宅購入や資産運用についての相談を受けましたが、その経験も踏まえ結論からお伝えすると・・・

「駆け込み消費は要注意。増税は気にせず冷静な消費行動を」に尽きると思います。

2014年の例では、増税後の方が有利な場合も

住宅地
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2014年4月に消費税は8%となりましたが、住宅を駆け込みで購入した方、車の買い替えを行った方、また消耗品などを3月末に購入した方も多かったかと思います。

ただ、増税に対する国の軽減措置もとられました。

なかでも、人生で一番大きな買い物といわれる住宅は、3%増税後の見返りとして、住宅ローン減税(所得税・住民税)が拡充されました。これは住宅ローンの残高に応じて10年間適用される減税で、増税前は最大200万円の減税効果だったのが増税後に購入した場合は最大400万円、つまり200万円ほど減税枠が拡充されたのです。

住宅の場合、土地と建物に分け、土地は非課税となります。

ここで具体的に4000万円の住宅(2000万円が建物、2000万円が土地)を例にあげてみましょう。

例:4000万円の住宅(2000万円が建物、2000万円が土地)
<建物のみ課税>
2000万円の5%は100万円、8%は160万円
消費税増税負担分は60万円(160万円-100万円)

消費税5%と8%の違いは60万円となりました。

消費税分の負担は60万円ほど増えましたが、その後、住宅ローン減税の効果を実感し、むしろ増税後に買って良かったと話す人もたくさんいました。

下の表に、消費税増額と住宅ローン減税の拡充による損益を簡単にまとめてみました。

増税前後の比較

また、60万円といわれると大きな差額に感じますが、実際の購入額4000万円に対してはわずかの差であるといえます。それよりも、もっともっと優先すべきことが住宅購入にはありますので、やっぱり増税はあまり気にしない方がよさそうです。

私も2014年3月31日、消費税5%最後の日は、本をまとめて買っておこうと本屋に足を運びいつもでは考えられないほどまとめ買いをしました・・・その後、忙しくなり、全て読めたかどうか(汗)

同時にプリンタインクもいくつか買い込みましたが、しばらくしてプリンタが壊れ、買い替えることに・・・(汗)(汗)

今回の増税は8%から10%と、前回よりも上昇幅は小さく2%です。この2%を意識しすぎた結果、無駄遣いにつながる可能性もあります。

なお、今回は10%になった後も食料品や日々購読する新聞などは8%に据え置かれる軽減措置が決まっています。増税が近づくにつれ、このような情報をしっかり集め、上手な買い物を心掛けてください。

ただし、駆け込み消費をした方が良い場合も

歯医者
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駆け込み消費は慎重にしていたただきたいのですが、例えば以前から気になっていたけど、なかなか行動に移せていないもの、例えば歯の治療(自費治療は消費税課税対象)などありませんか?

インプラントなど高額なものもありますので、健康に気をつかった駆け込み消費であれば、体にも財布にも優しい消費になりそうです。行くかどうか迷っていた英会話スクールやヨガなど、入会金や年会費を増税前に支払い挑戦するのも自己投資になり生活が豊かになりそうですね。

以上、駆け込みで消費すべきかどうか、判断材料の1つにしてください。


私は仕事の後のビールが大好きですが、酒類は残念ながら軽減措置の食料品には含まれません。でも、増税前にまとめて買うと、結局飲み過ぎることになりそうなので、まさに体にも財布にも優しく!ほどほどに購入していきたいと思います!

※住宅ローン減税等税制の詳細は税務署等でご確認ください