お金

会社員の副業は「雑所得」、確定申告の年間20万円ラインを知ろう (3ページ目)

ふやす 権藤 知弘

【7】FPへの相談事例

配達をする女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/west_photo」

筆者が受けた副業に関する相談事例で特徴的なものをいくつか思い出してみます。

(1)会社に勤めながら夜にラウンジで働いている女性

この相談者は、昼間は会社員、夜はラウンジで副業として働いている方でした。この相談者はアルバイトとして給与をもらっているわけではなく、個人事業主として所得を得ている方で、その場合の所得は雑所得ではなく事業所得になります。

確定申告をしたことがないという方でしたので経費のことや確定申告をすることなどをアドバイスしました。ちなみに最近よく見かけるウーバーイーツの方は、副業であっても個人事業主として仕事を請け負っているので、所得が20万円を超えていれば申告が必要です。

(2)フリマアプリで売買を行っている女性

この方はフリマアプリで積極的に売買を行い、おこづかいの足しにしているということで相談がありました。月によって売り上げの増減はありますが年間の収益は20万円をぎりぎり下回っていましたので申告はしないでも大丈夫でした。

いずれにしても税金に関しては細かい注意点がありますので、不明な点はお住まいの近くの税務署へ確認をしてください。各税務署に電話をすると「国税局電話相談センター」へ電話を転送してもらえます。相談料は無料ですのでぜひ活用してください。

【8】所得と必要な確定申告についてまとめ

所得に関してのおさらいです。

・所得は10種類に分類される
・給与所得以外の所得が20万円を超えると確定申告の必要がある
・副業をする場合、給与所得以外の所得が20万円を超えなくても住民税の申告は要注意

いかがでしたでしょうか?
会社に勤めて給与を得るという生活スタイルであれば、源泉徴収と年末調整で税金関係の手続きは終わるので所得の種類を意識することはあまりないと思います。

それでも多様な働き方=収入を得る手段の幅の広がりを考えると、覚えておくといつか役立つことがあるかもしれません。また、税金に関しては不明な点は税務署への相談をすることをおすすめします。

転職したら確認すべき「確定申告と年末調整」税金が戻るって本当か?

「スマホ副業」でスキマ時間に1~5万円稼ぐ おすすめ副業アプリ11選

雑所得と確定申告についてのQ&A

Q. よく経費で落とすという言葉を聞きますが、どういうことでしょうか?

経費とは、事業を行うにあたり、収入を得るためにかける費用のことです。「経費で落とす」という言葉は経費として計上することを指す言葉で、収入を得るために使った支出以外は経費としては認められません。ただし経費で落とすといっても支払いがなくなることではありません。

Q.親が年金生活者です。確定申告は必要でしょうか?

源泉徴収の対象となる公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であれば確定申告は不要です。ただし公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合には、確定申告を行う必要があります。
 

3 / 3