ダブルワークの確定申告、会社にバレないための方法・ポイントとは? (2ページ目)
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ダブルワークがバレないためには「住民税の徴収」がポイント
できれば「副業OK」と許可をもらい堂々とダブルワークをしたいものですが、中には会社に内緒でダブルワークをしている人もいると思います。そんな方が気になるのは「きちんと確定申告をしたら会社にバレるのでは?」ということです。
もちろん、バレたくないので確定申告をしないというのはいけません。きちんと確定申告をしてもバレないようにするためには「住民税に関する事項」がポイントとなります。
住民税は前年の所得に対して勤め先の会社が翌年度に徴収します。これを「特別徴収」といいます。本来、住民税は自宅に納付書が届き自身で納付すべきもので、これを「普通徴収」といいます。現在は特別徴収が原則となっているため、多くの会社で住民税が徴収されているのです。この仕組みが「会社にバレる」大きな要因の1つです。
仮にダブルワークをしていなかった場合、前年の所得をもとにした住民税の納税通知書が会社に届き、会社の経理部はじめ給与計算にかかわる社員の方がそれをもとに毎月の給与から住民税を差し引きます。中小企業などは納税通知書が社長の目に触れることも考えられます。その通知書には昨年の給与所得やそれ以外の所得などが記載されており、それを踏まえ、毎月の住民税徴収額が記載されているのです。
もうここでお分かりですね?内緒でダブルワークをし、しかもその収入金額が大きいほど、「なぜ〇〇さんは住民税がこんなに多いの?」と目につくわけです。
例えば、週末こっそりアルバイトをしていた場合は通常「雑所得」として申告しますので、住民税の納税通知書には「給与所得」と「雑所得」があり、それを基に住民税額が計算されています。ただし、「雑所得がある」=「副業をしている」と断言することはできません。先に紹介した仮想通貨なども雑所得となるため、「〇〇さんは(副業ではなく)何らかの大きな所得が生じたようだ」とスルーされる可能性も十分あります。
ただし、毎年「バレるかもしれない」とドキドキしたくありませんよね。その際は確定申告書の「住民税に関する事項」というところに「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目があります。そこで選べる「特別徴収」か「自分で納付」のうち、「自分で納付」を選べば、副業等の分についての住民税については自宅に納付書が届き、会社が把握することはできません。
このように確定申告において「会社にバレない」方法はありますが、何より勤務先の重大な規則違反になる恐れもあります。会社の規約を確認し、なるべく会社が許容してくれる範囲でのダブルワークを目指してください。
確定申告を行うには?
確定申告の期間は翌年の2月16日~3月15日までです。また申告する税金がなく、むしろ還付を受けることができるという場合は年明け以降すぐに行うことができます。今はスマホでも気軽に申告できますし、e-Taxという仕組みを使うことで税務署に行かず申告することもできます。
ただし、初めての方は戸惑うことが多いと思いますので、各勤務先からもらう1年間の所得等が記載されている源泉徴収票などを用意し、税務署に出向いて教えてもらいながら手続きをすると良いでしょう。また、税務署によっては事前に説明会を開いている場合もあります。または地域の税理士が同様のセミナーなどを行っている場合もありますので、積極的に参加してみてください。
還付金はいつどういう形で戻ってくる?
ダブルワークを始めたことで、初めて確定申告を行ったという人も多いでしょう。複数の勤務先があり年末調整を1カ所でしかしていないため、「税金の納め過ぎ」状態となっており、割と高額な還付金があるというケースも想定されます。
還付金は、確定申告後、数週間から1カ月程度で指定した銀行口座に振り込まれます。確定申告をする際に希望する振込先口座を書く欄がありますので、もれなく記入してください。確定申告が早ければ早いほど、還付金の戻りも早くなりますよ。
まとめ
- ダブルワークは原則、確定申告が必要
- 主たる勤務先で年末調整がなされている場合も確定申告が必要な場合がある
- 所得税のみならず住民税の仕組みも把握して
いざダブルワークをはじめたものの、税金のことや社会保険のことなど気になることがたくさん出てきて頭が痛い・・・。という人も多いと思います。ただし、このあたりの知識を整理すれば皆さんの手取りが増えるかもしれません。
知らず知らずのうちに余計に税金を納めている可能性もあるのです。「めんどくさい」と言わず、「何かトクする方法ないかな」という具合に向き合ってほしいと思います。ダブルワークの先に、完全にフリーで働く、またはご自身の会社を作るという展開が待っているかもしれません。そうなるとなおさらこのような知識は必要となります。今のうちから1つ1つ税金や社会保険の基礎を勉強しておくことをおすすめします。
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ダブルワークと確定申告に関するQ&A
Q.正社員で働いているのですが、私の住民税は普通徴収で自宅に納付書が届きました。なぜですか?
A.住民税の特別徴収は地方税法により義務付けられているため、各事業者は特別徴収を徹底しなければなりません。ただし、住民税は1年ずれることもあり、前年在籍者分が対象となります。よって、転職した場合は普通徴収となり自宅に納付書が届く場合もあります。
Q.個人事業主で働いていましたがコロナ禍で収入が減り、ダブルワークとしてアルバイトかパートを検討しています。この場合、社会保険はどうなりますか?
A.個人事業主ということで現在は役所・役場を窓口に国民年金と国民健康保険に加入していると思います。アルバイトまたはパートをはじめても年間収入130万円以上など一定の収入や勤務時間等を満たさない限りは国民年金と国民健康保険を継続することになります。なお条件を満たせばパートやアルバイトでも勤務先を通して社会保険に加入できる場合もあります。