意外とかかる車の維持費、平均は総額いくら?どうすれば節約できる?
車を所有するということは、購入時の初期費用に加え、さまざまな維持費がかかります。
日々車を使用する際のガソリン代の他、保険や税金、駐車場代や車のメンテナンス費用など、車の所有には結構出費がかさむものです。
そこで今回は車の維持にかかる項目や費用について確認し、またそれらの節約方法などをご紹介します。
賢く車に乗るコツを解説していきますので、車の維持費が高いなと不満を持っておられる方は、この記事を参考にして車の維持費節約に努めてください。
車の維持費にはどんなものがあるか
車の維持費は大きく分けて次の4項目があります。
- 走行費(ガソリン代、高速料金)
- 税金(車検時、毎年)
- 自動車保険(自賠責、任意保険)
- メンテナンス費用(オイル代等、車検費用)
走行費
日々自動車を使用する際に必要な「ガソリン代」や高速道路などの「有料道路通行料金」、さらには自動車を保管する際に必要な「駐車場代」が含まれます。ガソリン代は、燃費の良い車とそうでない車で大きく変わってきます。
税金
自動車購入時に必要な「環境性能割」や「消費税」の他、毎年4月1日時点の車の所有者に支払い義務がある「自動車税・軽自動車税」と、車検の都度必要な「自動車重量税」があります。特に維持するために必要な自動車税・軽自動車税と自動車重量税は、排気量と重量により大きな違いがあります。
●自動車税
●自動車重量税
〈新車新規登録時における自動車重量税の税額〉
〈継続検査等時における自動車重量税の税額〉
自動車保険料
「自賠責保険」と「任意保険」があります。自賠責保険は、基本的な対人賠償を目的としており、全ての車の所有者に加入が義務付けられています。任意保険は、この自賠責保険ではカバーしきれないものを補償する保険で、対人賠償の他、対物賠償や車に搭乗中の人への補償、そして自分の車に対する補償があります。
メンテナンス費
オイルやエレメント、他にもタイヤなど定期的に交換が必要となる「消耗品の交換費用」、新車登録から3年後、その後は2年に1度受ける必要がある「車検費用」、車が故障したり不具合が出たりした場合の「修理代」などが含まれます。
車の種類別、維持費の目安
乗用車の種別は、軽自動車、小型乗用車、普通乗用車などの種類があり、道路運搬車両法では下表のような車のサイズ(全長や全幅など)や排気量が定められています。
※軽自動車は、上記のサイズと排気量を全て満たす必要があり、人の乗用は4人以下
※小型乗用車も軽自動車同様上記のサイズと排気量を全て満たす必要あり
※普通乗用車は、小型乗用車の基準を1項目でも上回ると(上表の全長、全幅、全高、総排気量が1項目でもあてはまると)普通乗用車に分類される。人の乗用は10人以下
では具体的にそれぞれの車の種別によりどれくらい維持費が異なるのかを見ていきましょう。
※参考:自動車税/2023年3月現在 自動車重量税/国土交通省 自賠責保険料/損害保険料率算出機構 任意保険料/インズウェブ掲載の損害保険料率機構 車検代/法定費用と整備費用を除く車検のコバックの全国価格 メンテナンス費用/グーネットのオイル交換料金相場を参考に半年に1度交換 ガソリン代/年間走行距離12000km、レギュラーガソリン160円/L、燃費は軽自動車25km/L、小型乗用車20km/L、普通乗用車15km/Lで換算 駐車場代/全国の月極駐車料金の平均
上記の維持費はあくまでも目安です。実際は車の使用頻度や車両性能、車検を受ける場所(ディーラーかガソリンスタンドなど)、任意保険をどこで加入するか(大手保険会社かネット系か)などにより大きな差が生じますので、参考程度の数値としてご了承ください。
車の維持費用を節約する方法
ご覧いただいたように車の維持費は平均で約3万~4万円/月もかかります。ではこの車の維持費を節約する方法はないのでしょうか。そこでこの章では車の維持費用を節約する方法を紹介します。
保険料で節約する
自賠責保険料は車種により国が定めているので節約できませんが、民間の任意保険は保険会社により保険料が異なります。
一般的に代理店型のように対面で契約する自動車保険より、インターネット経由で契約するダイレクト型の自動車保険の方が保険料は安くなります。自動車保険の内容をよく理解していてアドバイスが必要ない人はダイレクト型を選択すると良いでしょう。
また、保険の契約内容により保険料は安くなるので、この点も忘れずチェックしましょう。
例えば、運転者を限定できないか検討してみましょう。運転者の年齢条件は一般的に全年齢補償、21歳以上、26歳以上、35歳以上の4つに区分されています。この年齢条件を引き上げると保険料は安くなります。また、運転者を家族限定にしたり、本人配偶者限定や本人限定に絞り込んだりすることでさらに保険料は安くなります。
その他にも、車両保険の補償範囲も見直してみてください。全ての事故を補償する一般タイプから自損事故などを補償しないエコノミータイプにすることで保険料を抑えることができます。
保険会社によっては、自動車の使用目的により保険料の割引があります。日常レジャー使用や通勤通学使用にすることで保険料は安くなります。
自動車の維持費を節約する方法として一番に着手できるのがこの保険料の見直しといえるでしょう。
税金で節約する
毎年5月頃に納める自動車税は現金払いだけではなく、クレジットカード払いやキャッシュレス決済も可能です。PayPay・LINE Payなどの二次元コード決済、nanaco・WAONなどの電子マネーなどでも支払うことができます。
ポイント還元のことを考えると、キャッシュレス決済の方がお得になるといえるでしょう。(PayPay での自動車税支払いは2022年4月よりポイント付与がなくなりました。)
車検費用で節約する
車検費用は、自動車重量税や自賠責保険料や印紙代などの「法定費用」と、車検代行の会社が定めた車検基本料などの「法定外費用」に分かれています。
法定費用を節約することはできませんが、車検基本料は会社によって違うので節約可能です。
一般的なディーラー車検より格安で車検を請け負うところもあります。ガソリンスタンドやカー用品店、車検専門店などいろいろなお店の基本料金を比較してみてください。
購入する車種で節約する
前項で見たとおり、普通乗用車より小型乗用車、小型乗用車より軽自動車の方が維持費用を抑えられます。またエコカーを選択すると維持費はさらに安くなります。税金面ではエコカー減税などがあり、さらに燃料費もEV車やハイブリッド車を選ぶと節約できるでしょう。
ガソリンの入れ方を工夫する
皆さんはどこで給油していますか。フルサービスのガソリンスタンドよりはセルフ式のガソリンスタンドの方がガソリンの単価は割安です。
また、ガソリンスタンドによっては特売日などを設けていますので、そういったセール期間にまとめて給油することで燃料費を抑えられるでしょう。
また、ガソリンスタンドが発行しているクレジットカードで燃料を入れると割引やポイントアップにもつながるので、そういったところでも節約は可能です。
中古車購入時にもひと工夫する
中古車を購入する際、年式が古い車や走行距離が多い車の方が格安です。しかし、そういった自動車の場合は、故障のリスクが増えたり、新車登録から13年を超えると自動車重量税が高くなったりします。
車の状態は乗り出してみないと分かりませんが、中古車を購入する際は、購入価格ばかり見ないようにしましょう。
まとめ
今回は自動車の維持費について解説しました。特に以下の点について理解を深めていただければと思います。
- 車の維持費には走行費、税金、保険、メンテナンス費用などがある
- どのような車に乗るか、車種により年間の維持費は大きく変わる
- 車の維持費を節約する方法として任意保険の見直しは有効
- 車検を受けるところを変えるだけでも維持費は安くなる
- ガソリンスタンド選びや支払方法により節約もできる
- 中古車を購入する場合、安さだけを優先しない
自動車の維持費は年間で30万~40万円もかかります。自動車を所有することは贅沢とも思えるかもしれません。
最近では、車を所有せずレンタカーやカーシェアを必要な時だけ借りて乗るという人も増えてきました。しかし頻繁に自動車に乗る場合などは、所有する方が便利です。
どのような車に乗るか、また走行距離などにより年間の維持費は大きく変わります。今回紹介した自動車の維持費の節約方法を参考にして、少しでも家計への負担を減らしてください。
車の維持費についてのQ&A
Q.ガソリン代や燃費のことを考えると軽自動車の方がお得でしょうか。
A.ガソリン車の場合、普通乗用車や小型乗用車より軽自動車の方が維持費の負担が少なくて済むことは明らかです。しかし最近では電気自動車やハイブリッド車も普及してきました。エコカー減税で税金が軽減されたり、燃費も軽自動車より良い普通乗用車も出てきていますので、排気量によっては軽自動車より維持費が安い小型乗用車や普通乗用車もあります。
Q.自動車ローンを組んで車を所有するよりサブスク型の方がお得と聞きました。
A.最近、車を所有する方法が多様化してきました。以前は全額自動車ローンを組んで所有する方法が一般的でしたが、残価設定ローンやカーリース、毎月定額料金を払うだけのサブスク型も増えてきています。カーリースやサブスク型の場合、自賠責保険の保険料や車検費用も毎月の定額料金に含まれているプランもありますので、よく比較検討してください。