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どっちがおトク? 税金から考えた「NISA」と「つみたてNISA」

ふやす 白浜 仁子

どっちがおトク? 税金から考えた「NISA」と「つみたてNISA」

【画像出典元】「holwichaikawee/iStock/Thinkstock」

こんにちは。「お金の専門家」の白浜仁子(しらはまともこ)です!

最近よくこんな質問があります。

「NISA」と「つみたてNISA」はどっちがいいですか?

実は・・答えはありません!

なぜか・・??

それは、投資したい金額や必要な時期など人によって違うから。それに、そもそも投資は価格が上下するので、数年先の金額が不確定。どちらに軍配が上がるかは、後にならないと分かりません。

一般NISAは、年間120万円まで投資でき、非課税期間は5年。つみたてNISAは、年間40万円までしか投資できないが、非課税期間は20年。

「一般NISA」 VS 「つみたてNISA」どう考えたらいいのか・・

10年ひとくくり!が基本

過去の経済情勢(投資環境)を振り返り、4資産分散(※)で10年間運用した場合、どのタイミングで投資を始めてもプラスになっている(元本割れしていない)・・という資料等をよく見かけます。

つまり、短期での上下に一喜一憂しないという、長期投資の心構えは基本中の基本で、私も、10年くらいの余裕をもって投資をした方がいいと思います。

(※)国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4資産に均等に投資すること

NISAの全体像

では仮に・・

10年は運用するつもりでNISAとの付き合い方を考えるなら・・。

NISAは、5年の非課税期間が経過したあとに、新たなNISA枠に移行する(預け替える)方法をとれば、

次の5年の非課税期間と合わせて10年間の非課税が実現します!

ただ・・残念なことに・・

NISAは、今のところ2023年(平成35年)までしか新規に投資ができないようになっているので、移行できる投資は今年の分まで。

つまり、来年以降の投資は、5年の非課税期間が過ぎた後は課税口座に移して運用するしかないのです(上図を参照)。

その時に、知っておきたいのが・・

やっぱり税金のこと。

実は、投資したお金が、5年後に元本割れしていた場合は注意が必要です。


たとえば・・
あなたが100万円を投資したとします。

投資した100万円
  ↓(5年後)
80万円に元本割れしてしまった
  ↓
引き続き運用する場合、80万円を課税口座に移して運用
  ↓(さらに5年後)
100万円に増えた(当初の投資額にもどった)


さて、この場合は税金はどうなる?

かかる? かからない?

実は、課税口座に移した当初の金額80万円から、100万円に増えたものとみなされ税金がかかります。

20万円から税金の約4万円を差し引いた約16万円が実際の受取額となってしまうのです。

なんでーーー。( ;∀;)

って、泣きたくなりますよね。


でも、このように非課税期間が過ぎたあとに課税扱いの口座に移したら、新たに投資したと見なされ、増えた分(利益)に税金がかかるのです。

そんなのいやだーー‼(´;ω;`)ウッ…

という人は、つみたてNISAの方が向いているように思います。

最長20年間、非課税のメリットが受けられるため前述の10年は十分クリアできますし、つみたてNISAは、そもそも積み立てしかできないので、投資のタイミングも分散されさらにリスク軽減効果が期待できます。

投資イメージ
【画像出典元】「Tashatuvango/iStock/Thinkstock」

でも、40万円では投資枠が足りない!という人は・・

超える分は、課税扱いで運用する!

と割り切ってもいいのでは。

先程のNISAの話は例外として、通常、税金は利益にしかかかりません!

そもそも・・

投資は非課税だからするのではなく、金利も低いし、長生きのリスクもある中で、自分でお金を増やす努力が必要!・・というのが、今投資を考えなければならない本来の理由だと思います(一般に)。


大事なのは、利益を非課税にすることではなく資産運用。

本末転倒にならないよう賢くNISA、つみたてNISAを活用しましょう!


※この記事はNISAとつみたてNISAの特徴だけに注目したものです。
実際は、投資額や投資可能期間、リスク許容度などを含め検討する必要があります