第十二話「値動きを見てお金を増やす!!」
監修・ライター
お金が減ってる、マイナスになってる。
それがこんなに悲しいなんて。
私、知りませんでした。
前回、「とにかく始めてみよう!」と、5万円で買える有名企業の株をポチポチッと購入するも即マイナス、そっとPCの画面を閉じました。
でも、気になって、見ちゃうんです。
「もしかして、上がったんじゃないか」って、期待して・・・。
前場(ぜんば )の9時から11時半、後場(ごば)の12時半から15時までの、5時間。
10分おきにチェックする私、まるで、恋人からの返信を待つ乙女。(脳内イメージ)
そもそも、指値で下がってくるのを待って買ってるので、そのまま下がっていくのは、株価の「値動き」としては、当然といえば当然なんですよね。
あとは、「底」をついて「反発」してくるのを待つのみ、なんですけど。
それがいつなのか、さっぱりわからないわけです。
つまり、今の「下げ」が、いつまで続くかも、わからないわけで・・・。
ぞぞぞ。
「・・・きちんと、勉強しよう」
さすがに思い立ち、まずは、初心者向け株式投資ハウツーサイトを覗いてみました。
そこで基礎中の基礎として書かれていたのが、こんな格言。
「落ちてくるナイフはつかむな ーDon't catch a falling knife.ー」
株価が下がっている最中の株を買うな、必ず怪我をするぞ、という意味だそうです。
「ですよねー」
心の底から同意する私。
その格言には続きがあり、「地面に刺さってから抜け」、つまり底をついて上昇し始めてから買え、ということ。
はい、次からはそうします!!! 固く心に誓う私。
まあ、次からそうしたくても、今持ってるこれを売らないと、次を買うお金もないのだけど・・・。
と株価をチェックしたら、あれ? 上がってる?
これが、底をついたってやつ!? 反発ってやつ!? 上昇トレンド突入ってやつーーーーー!?
とテンションだだ上がりしてますけど、後から思えば、相場全体がニュースなどの影響で上がったり下がったりしてるときに、この銘柄も影響を受けただけみたいで。
つまり企業の業績とかチャートの形とかほぼ関係ないプラスなのだけど、というかちょっと戻っただけなのだけど、それでも、あれだけ暗い気持ちになったのが、ほんの少しプラスになるだけで、世界がピンク色になって、体は2割軽く感じるほどで。
15時を過ぎて、今日の評価損益は、プラス500円。
「すごい・・・」
味を知ってしまった感覚がありました。
プラス画面をずっと眺めてしまう私、まるで恋人からのメールを何度も読み返してしまう乙女・・・。(脳内イメージ2)(2回もすみません)
いや、眺めているだけじゃダメですよね、利益確定しないと。
利益・・・確定・・・。
プラス500円、手数料引かれたら、もっと減っちゃう。
「もう少し、欲しいな」
思いますよね。思っちゃいますよね。思わずにおれまいか。
ここから私は、「売り時」を求める長い旅に出るのでした。