どれだけ知ってる?「結婚式・披露宴のお金のマナー」
監修・ライター
友人の結婚披露宴に招待されたとき、ご自分の結婚披露宴に親族や友人を招待するとき、直前になって「ご祝儀って、いくら包めばいいんだろう?」「ゲストの交通費ってどうすればいいの?」などと悩んだ経験はありませんか? 今回は気になる「披露宴のお金のマナー」について、マナー講師の木下先生にお話を伺ってきました!
披露宴に参列するときに知っておきたいお金のマナー
ーー 地域によって、ご祝儀の金額って違いますか?
福岡にかかわらず、20代~30代であれば全国的に3万円包むのが相場だと考えられています。
ーー ご祝儀に2万円を包むのは、失礼にあたりますか?
ご祝儀はお祝いの気持ちですので、失礼にはあたりません。
しかし、日本では昔から偶数は「割り切れる=別れを連想させるから縁起が良くない数字」といわれています。さらに、4=死、9=苦という数字も、縁起が良くないので避けた方が無難ですね。
結婚式が重なった場合や経済的な理由で3万円を包むことが難しいということであれば、2万円を包んでもかまわないでしょう。最近は、2万円=ペアという考え方も見受けられるようになりました。
なお、2万円を包む場合は、1万円札を1枚と5,000円札を2枚包んで枚数を3枚にするなどの配慮を。きっと贈ったお相手にも心遣いが伝わることでしょう。
ーー 他に、ご祝儀を贈るときに気をつけるポイントはありますか?
祝儀袋に包むお札は、必ず新札を用意しましょう。また、お札の向きにも気をつかって、きちんとそろえておきましょう。
事前に準備することを全てリストアップしておくと、招待する側もされる側も、気持ちよく晴れの日を迎えることができますね。
ーー ご祝儀を贈る相手との関係によって、贈る金額は変わりますか?
親戚親族以外であれば、3万円が目安です。会社の方の披露宴に参列する場合であれば、周りの方と相談されると良いと思います。
親族の場合、ご兄弟であれば5万円、従妹同士であれば3万円、叔父叔母の立場で参列する場合は5万円、夫婦で参列する場合は10万円が目安といわれています。
後は、ご家族によっても暗黙のルールがあると思いますので、ご両親に相談されると一番良いかと思います。
例えば、ご自身が若く、お兄様お姉様がご結婚されるのに、5万円用意するのが難しいということであれば、3万円でも良いかと思いますし、お祝いの気持ちとしてお品物を贈る場合もあるようです。
ーー 友人が再婚する場合は、1回目と同額を贈った方がいいですか?
結婚式を挙げる場合、一方が初婚であれば「今度こそ幸せになって!」という想いを込めて1回目と同じ金額を包みましょう。
お互い再婚ということであれば、相手から申し出があると思います。
再婚の場合でも、やはりお祝いする気持ちが大切です。
ーー 披露宴に出席できない場合も、ご祝儀を送らないといけませんか?
お相手と親しい場合は、ご祝儀ではなく品物を贈るというお祝いの仕方でもかまわないと思います。
お相手とそこまで親しくない場合は、お金を贈る方が無難です。披露宴に出席する場合は3万円ほど包みますので、その半分か3分の1の金額を祝儀袋に入れて直接お渡しするのが良いかと思います。もし郵送する場合は、必ず現金書留で送りましょう。
結婚式の1ヵ月前~1週間前の間にお祝いを贈るように心がけてくださいね。
また、ここで気をつけたいのが、以前ご自身の式でご祝儀をいただいた方の場合。このような時は、なるべく同金額を送りましょう。
もう一つは、直前の欠席の場合。披露宴まで1ヵ月を切ってしまった場合、式場のもろもろのキャンセルが難しくなってきますので、参列するときと同額をお送りすることが相手への配慮ですね。
披露宴に招待するときに知っておきたいお金のマナー
次に、自分自身が結婚するときに知っておきたいお金のマナーについても伺いました!
ーー 遠方から参加してもらう場合、交通費や宿泊費はいくらお渡しすればいいですか?
基本的には、半額負担として考える方が多いようです。
宿泊費が発生する場合、交通費と宿泊費の半額なのか、宿泊費だけは負担するのか、事前にこちらからゲストに申し出ることが大切です。ゲストからは聞きづらいことだと思います。
また、海外で挙式する場合も、こちらで割安チケットを取って交通費は半額出すという話をよく耳にします。
また、たまに「ご祝儀と交通費・宿泊費を相殺する」というお話を聞きますが、ご祝儀は相手からのお祝いの気持ちです。ご祝儀で相殺することは避け、お車代として別にお渡しするのがマナーです。
ーー 親族の場合はどうなりますか?
親族であれば、事前に相談するのがいいと思いますが、基本的には交通費や宿泊費は全額負担と考えられています。
ご両親はもちろんですが、親族の場合はご祝儀を多めにいただく場合がほとんどですので、招待する側が、衣装代から着付け代、ヘアメイク代、交通費などまで全額負担するが一般的です。
結婚式や披露宴はお披露目の場ですので、2人だけの問題ではありません。
後は、ご家庭ごとにルールがあると思いますので、両家で話し合われたほうがいいと思います。
「大切なのは、お祝いする気持ちです」(木下先生)
マナーというと、「こうあるべきもの」「難しい、固いイメージ」「一般常識」と思われている方が多い印象です。しかし、マナーとは難しいものではなく、思いやりの心をしっかり体現する、表すものだと思っています。披露宴に関するお金のマナーも、大切なのは「お祝いする気持ち」です。
ただ、気持ちがあればいくらでもいいかというと、そういうわけにはいきません。お金にはあくまで目安がありますので、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね!