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FP直伝! なぜ「仮想通貨」は問題になってるの?

ためる 中村 賢司

FP直伝! なぜ「仮想通貨」は問題になってるの?

【画像出典元】「chombosan/Essentials/gettyimages」

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村賢司です。

最近「仮想通貨」という言葉をよく耳にします。特に話題となったのが、昨年年末にかけての暴騰相場ではないでしょうか。1年間でその価値が100倍や200倍にもなった仮想通貨もありました。中には億単位の利益を出した人もいて「億り人(おくりびと)」という言葉も流行りましたね。

仮想通貨がここまで注目されるようになった背景には、平成29年4月に改正資金決済法が施行されたことも背景にあります。

少しずつ法整備が進んでいますが、まだまだシステムが完璧ではありません。今年の1月には日本の仮想通貨取引所で約580億円の不正流出がありました。

今回はそんな仮想通貨の問題点について一緒に考えていきたいと思います。

1.仮想通貨とお金の違い

お金(通貨)には本来3つの役割があります。
・決済の手段
・価値をはかる
・価値をためる

仮想通貨は「通貨」とネーミングされているので、お金と勘違いしてしまいますが、私たちが普段使っているお金(円やドル)とは大きく異なります。

日本国内で通貨として使用されている「円」は日本銀行が発行しているので、信用の裏づけがあります。ドルやユーロも同じようにそれぞれの国の中央銀行が発行しているので国の信用が裏付けとなっています。

しかし仮想通貨にはその裏付けがありません。言い換えれば信用の裏付けがないので、私たちが普段使っている通貨とはまったく異なります。

2.仮想通貨の役割と目的

モバイル決済
【画像出典元】「PhotoAC」

ではなぜそんなに信用がないものなのに注目されているのでしょうか。

仮想通貨にはそれぞれ発行された目的というものがあります。例えば、海外への送金が銀行より安い手数料でできたら嬉しいですよね。またその送金も瞬時に送ることができれば、なお嬉しいですね。それを実現するための仮想通貨もあれば、モバイル決済手段をもっとスムーズにするための目的で作られた仮想通貨などもあります。

仮想通貨は、何か社会の役に立つための目的を本来持っているのです。これからも新しい仮想通貨が発行されるというニュースも耳にします。

前項で信用の裏づけがないと言いましたが、システム自体はブロックチェーンというしっかりした技術を使っていて、今後私たちの生活の利便性を高めてくれるでしょう。

3.仮想通貨で資産運用はありか?

私の答えは「ノー!」です。

今はまだ技術が未完成であったり、法整備も曖昧なため、資産運用で仮想通貨に投資することは時期尚早でしょう。

また、円やドルなどの為替の値動きにはその裏付け(根拠)がありますが、仮想通貨の値動きには根拠がありません。また外国では取引所が閉鎖されたり、規制が強化されたりしている国もあります。

まとめ

ブロックチェーン
【画像出典元】「PhotoAC」

将来的には、この仮想通貨は少しずつ形を変えて定着していくと思いますので、その存在は無視できません。

仮想通貨業界にヤフーグループやSBIグループが既に参入していますし、不正流出問題のあった取引所を大手ネット証券会社が買収したりと、大きな動きもあります。

また大手金融機関の三菱UFJフィナンシャル・グループが、「MUFGコイン」という仮想通貨を独自に開発中というニュースもありました。

今後は、私たちの生活の利便性が向上するような仮想通貨になっていくことを期待しましょう。