お金

50歳での早期リタイアで後悔しないために最低限必要な貯金はいくら?

そなえる 中村 賢司

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村賢司です。

50歳までに資産を形成し、海外移住や田舎暮らしなど、悠々自適にセカンドライフを過ごす、夢のような話ですね。私の所に来るお客さまの中にも、そのようなリタイアメントプランに憧れている人も少なくありません。早期リタイアにはたくさんの貯金が必要になってくるイメージがありますが、50歳で早期リタイアをして貯金は一体いくらあればいいのでしょうか。

年金を受け取るまでは15年もあり、この15年間の生活費に関してもしっかり計画を立てることが必要です。こうして話すと「デメリットが多いのでは」と感じる方もいるでしょうが、実は工夫次第では少ない資産でも実現は可能です。

今回はそんな早期リタイアについて考えていきましょう。

▼関連記事
【50代必見】かん違い注意! 知っておきたい「 ねんきん定期便」と実際の受取額

みんな、100万円あったらなにに使う?【アンケート結果発表】

1.早期リタイアに備えての計画、リタイアメントプランを考えよう

リタイア
【画像出典元】「PhotoAC」

早く仕事を辞めたいと考えている人も少なくないと思いますが、早期リタイアをしてセカンドライフはどのような生活をしますか?

晴耕雨読の毎日もいいでしょうが、生きがいや働きがいなどがなくなると、人は急に老け込むともいわれています。お金のことはもちろんですが、リタイア後どのような暮らしをするのか、何を生きがいに生きていくのかなどもしっかり考えておきましょう。

2.50歳での早期リタイアに最低限必要な貯金はいくら?

何歳でリタイアするのか、リタイア後どんな生活をするのかにもよりますが、仮に50歳でリタイアをして毎月25万円の支出(住居費や生活費など)を90歳まで続けると、40年間で約1億2000万円必要となります。60歳でリタイアしても30年間で約1億円必要です。

・贅沢な暮らしをするのか、質素な暮らしをするのか
・退職金はいくらもらえるか
・公的年金はいくらもらえるか

早期リタイアを考えるにあたっては、必ずリタイア後の収入と支出のバランスを考える必要があります。

今現在、年金暮らしの高齢者の家計収支は毎月約5万円の赤字といわれています。(※)
65歳から公的年金をもらい始めても、それだけでは生活できず、90歳までの25年間で約1500万円の貯金を取り崩すことになります。

(※)総務省「家計調査報告」(平成28年)

それに加え、50歳で早期リタイアする場合は、公的年金が受給できる65歳までの15年間の生活費も準備しなければなりません。毎月25万円の支出を15年間続けると4500万円必要です。

生活レベルにもよりますが、平均的な生活費25万円でシミュレーションしても、50歳で早期リタイアするには約6000万円必要になります。

これに医療や介護のことまで考えると、もっと必要になってくるでしょう。

3.早期リタイアに備えて資産運用、お金に働いてもらう

投資
【画像出典元】「iStock.com/FeelPic」

上記の例は、ただ貯金を取り崩すだけの生活でしたが、リタイアする際ある程度まとまった貯金ができていれば資産運用を考えましょう。

株や投資信託に投資をして配当金や分配金を受け取りながら生活をする、また不動産に投資をして家賃収入を得ながら生活をする、といったようにお金に働いてもらうのです。

仮に年金暮らしの平均的な毎月の赤字5万円を補填するために、物件価格1000万円、投資利回りが6%(毎月の家賃収入5万円)の物件を購入したとします(経費や空室リスク等は考慮せず計算)。

そうすれば、50歳でリタイアする時には5000万円以下の貯金でも生活できる計算になります。

このように資産運用を考えることで、早期リタイアの夢が、ぐっと近づくかもしれません。

早期リタイアについて まとめ

リタイアイメージ
【画像出典元】「PhotoAC」

「命長ければ辱多し」という荘子の言葉があります。長生きをすれば嫌なことをたくさん味わうという意味で、ただ漠然と早期リタイアに憧れるのではなく、リタイア後の20年、30年、40年をどのように過ごすのかまできちんとイメージをして、生きがいのあるリタイアメントプランを作ってください。 そのためには資産運用の道は避けて通れないと思います。

早期リタイアを考えている人は、貯金がいくら必要か、年金までの生活費をどうするのかなど今からしっかり計画(ライフプラン、キャリアプラン、マネープラン)を勉強しておきましょう。

▼関連記事
【50代必見】かん違い注意! 知っておきたい「 ねんきん定期便」と実際の受取額

みんな、100万円あったらなにに使う?【アンケート結果発表】